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葬儀社は新型コロナの状況下でも単価アップするためにオプション商品の付加価値を売ろう

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新型コロナウイルスが引き起こす葬儀業界時流の変化

まず、最初に、新型コロナウイルスが葬儀業界にどのような影響を及ぼしているのかということからお話ししていきましょう。

①コロナウイルスに感染された方の葬儀対応を考え、会館でのクラスタ感染対策をしないといけなくなった
②家族葬や火葬を中心とした葬儀の小規模化の加速(少人数のお葬式から核家族中心の葬儀にシフト)
③見込み客獲得チャネルの変化(オフライン完結型から、オフライン×オンラインの両方へシフト)
④衛生面への配慮から食事売上などが確保できなくなった
⑤事務所や配属拠点など内部的な働き方の見直しが必要になった

という所が大きいでしょう。このような新型コロナウイルスの影響とそれに対しての各社の対策を踏まえると、葬儀業界は今後、下記のような流れが予測されます。

1)継続する新型コロナウイルスへの警戒により会葬者減は続く
2)不景気による消費者心理の変化により、安心・安全 で 高価値 のもの以外は好んで消費されなくなる
3)消費者心理に合わせた集客チャネルシフトをした会社が生き残る(アナログ × Web・デジタルマーケティングが必須)
4)低単価でも高粗利かつ高稼働で成立するモデルが不可欠(プラン・ビジネスモデルの見直しが必須)
5)商圏はより狭小化し市場は縮小。更なる、局地戦×エリア密着の戦いへ
6)STAYHOMEという制約により加速したデジタル化の波についていけない葬儀社は生き残れない
7)リスク管理の為、式場内、事務所内でのフィジカルディスタンスの見直し拠点集中型からのワークスタイルの変化
8)単価下落はあるが葬儀自体はなくならないため、景気の影響を大きく受けにくく安定採用がしやすくなる

これらを踏まえて、向こう3年くらいの経営計画やビジョンを見直し、動きを修正していく必要があります。

前半では経営戦略的な部分を、後半は現場(葬儀施行時、社内)の新型コロナ対策の部分を解説いたします。

小規模化・会葬者減のなかでの単価対策

葬儀の単価アップ

「新型コロナウイルスの影響は?」と問えば、多くの方は平均単価ダウンという回答をされるでしょう。これは全国の葬儀社で起きている現象で5万~40万円と下落の幅がかなり大きいです。

今回の単価ダウンは二つの原因により引き起こされています。

1つ目は会葬者の減少に伴う、料理・返礼品などの売上がほぼなくなってしまっているということ。

2つ目は、自粛ムードと会葬者数減少に伴って葬儀の式単価の部分が下がっていることです。

このダブルパンチを食らっている葬儀社が大きく葬儀1件当たりの単価を大幅に下げている場合が多いです。

このwithコロナでの状況は、感染者が減っても0ではなく、確実な治療手法が見つかっていないこともあり長く続きそうですし、仮にafterコロナとなっても、景気が悪くなっていることや、家族葬が当たり前になったことで、【前のようには戻らない】とみておく方が正しいでしょう。

ここに対して、出口戦略として進めていかなければならないことは大きく分けると3つです。

1)社員のレベルを徹底してあげるために人材育成への投資を大きくする

まずは、営業トークとして葬儀の祭壇やセットプランを会葬人数に合わせて大きく提案するという方法や、故人様とご縁のある方をしっかり洗い出しして会葬数を増やして通夜振る舞いなどの数を増やしていくという方法が使いにくくなります。

そのため、人数が少なくても良い祭壇やプランを選んでもらうために訴求ポイントを「より良いお葬式をするため」や「ご遺族の気持ちをカタチにすることができる」といった部分にシフトしていかなければなりません。

また、故人様の周りにお花を増やす、お湯灌と仏衣とお花で納棺により費用をかけてもらうなど、小規模でもやった方がいいと言えるようにオプションの提案も工夫していかなければなりません。

※モノ売りからコト売りにシフトする、とも言えるでしょう。詳しくはこちらのコラムもご参照下さい

さらに、お金の価値が向上する分、その対価を払う対象となる商品そのものの価値が下がってしまいます。例えば、今まで100万円の価値を感じていた商品でも、不景気の状態では80万円程度の価値になります。その為、少なくても同じ商品を販売するのにもプラス20万円程度の付加価値を感じてもらうように説明の仕方も工夫していかなければならないわけです。

※トークについては、「今、自社で使っているプラン表の「トークスクリプト」を作ることで、全ディレクターの単価UPを実現」でも解説しております。

少し時間はかかりますが、これを全社員に教育していくという方法が最初にできることです。

2)オペレーションの仕組みを変えて、高生産性組織になる

これは、既存リソースの中でそれぞれの長所を生かして、分業しながら得意領域の業務を中心にこなしていくわけなので、教育という手段より成果が早く出やすい方法です。

例えば、高い水準でお客様のタイプによらず平均単価をしっかりとることができる提案ができている方に優先して受注・商談のフェーズを担当してもらいます。

それにより、単価がとれるディレクターは自分の得意領域かつ成果を出しやすいフェーズに集中できるため今以上に評価されますし、商談が苦手だけどお客様対応は良いといったディレクターが苦手な商談をしなくてもよくなり得意の接客に集中して満足度を向上させ成果を出せます。

結果、本人たちもストレスなく仕事ができるようになりますし、会社側も収益が出て頑張った方への還元や不況期での内部留保に充てることが可能になります。

また、パートごとに適切な人員の采配をするため無駄が少なく、残業を減らし収益性を高めることにも貢献できます。

あわせて読みたい:「葬儀社の働き方改革の第一歩、専任化で叶える推進力アップ施策

3)商品プランの見直し、ビジネスモデルの構造を変えることで単価が下がっても成り立つようにする

これは、小見出しの通りで今まで売っていた商品の価格を下げずに原価の調整をしていくことで売り上げが下がっても利益率が上がるような減収増益の状態を作るための戦略です。

この不景気に単価を1万円上げることはかなり難しいですが、1万円原価を下げるというのは不可能ではないため、営業の得手不得手にかかわらず粗利額が増えていきます。

また、そういった高粗利の商品となる家族葬専用プランの受注件数の構成比を高めていき、結果的に会社の収益構造を変化させていくというビジネスモデル転換を考えることも必要です。場合によっては既存式場のリモデルも考える必要があります。

あわせて読みたい:「築年数の長い既存店を活性化させるための方法とは?

新規客減・相談客減での集客対応

単価も勿論ですが、見込み客という観点で見た集客にも影響が出ています。
今までのように来場型のイベントや対面相談からの会員入会という手段がうまくいかなくなっています。

ここをどうしていこうという会社も多いとは思いますが、ここは4月5月の成果を見ていると最適解に限りなく近いのが、イベントに使っていた費用を折込み頻度向上とオンラインの広告やHPの修正にしっかりあてることだと思います。

リアルな対応が難しくなっている分、オンラインからの入会や問合せは強化をしっかりしていた会社は成果が出ています。

オフラインの折込み広告などもすべて来店誘導ではなくHPへの誘導をして、HP側ではオンラインでのクレジット決済や葬儀時に会員費用を支払っていただける仮会員制度などをうまく使って自宅にいても入会ができる方法をとっていきます。顧客の購買行動自体が変化したことに合わせ、我々のプロモーションやクロージングの手法を合わせていく事が重要です。

今までオンラインに苦手意識をもっていた会社様もここで踏み切れないとおそらく競合に飲み込まれてしまうでしょうから、ここはもはや一択でどれだけ早くそこに対応できるかが勝負ということになります。

オンライン集客の手法として、ホームページ制作はひとつ重要といえるでしょう。HP制作やWebマーケティング(オンラインの集客)で考えておくべきことについては、「葬儀社のホームページ制作のチェックポイントとは?」のコラムでも詳しくお伝えしておりますのでご参照下さい。

搬送や葬儀施行時の対策

葬儀施行時の新型コロナウイルス対策

葬儀施行時のコロナウイルス対策をやっていない会社はないと思いますが、最も優先すべきはここです。

まず、感染疑いのある方のご葬儀を受けるか受けないか受ける場合搬送の担当がどのようなガイドラインで搬送対応するかまた搬送後の自宅待機や休業期間、休業補償等を決めなければなりません。

多くの会社が会員制度をもっている中、会員なのに葬儀できませんとは言えないでしょうから、万全の感染症予防対策を取り、施行をするという判断することになると思います。

しかし、搬送担当者の休業などを考えると、人数が少ない会社の場合受けること自体が難しい場合もあります。それも一つの正解だと思います。

また、搬送の場合は、よく出入りする病院と連携して、感染の疑いがないかの確認方法なども話し合っておく必要があるでしょう。

次に、葬儀施行時の予防対策が必要です。毎日の会館の消毒、ご葬家、会葬者、スタッフのマスク着用、会葬者のソーシャルディスタンスの確保、式場の人数制限、時間帯別の焼香、通夜振る舞いや精進落としなどの提供停止、受付での飛沫感染防止シートの設置、検温などです。

これらは、感染対策として会社で決めることはもちろんのこと、「ガイドラインに書いていることを徹底できるか」「実施していることをしっかりお客様に対して発信すること」が重要になります。

意外に現場レベルで調査しても、8割くらいできているけど抜け漏れがあるという会社は少なくはありません。

最悪なケースは、決めたことを広告でうたっているけど現場での実行出来ていない式場があり、そのことに対してクレームに発展するパターンです。このような場合、対策をしていないことが大きなマイナスとなりますので、派手にやることよりも、とにかく徹底されているかどうかを意識する必要があります。

そして、もう一つやるべきことが、「もし、自社の会館から感染が出てしまったら」を想定した、感染対応マニュアルの作成です。

ご葬家、会葬者はじめ関係各所への対応、会館の閉鎖などの対応をマニュアル化しておかなくてはいけません。活用することがないことが理想ですが、もしもを想定していると必要に応じて混乱せずに対応できるので作っておきましょう。

葬儀社の社内での感染拡大防止策

葬儀社内での感染対策

人との接客が避けられない業種である以上お客様への対応は当然ですが、同時に社内での感染拡大防止も重要な対応です。こちらも、基本的な対策をしていく必要があります。

加えて、式場が複数ある場合は拠点を分けての出勤、稼働の少ない式場のサテライトオフィス化、在宅ワークが可能な職種のリモート勤務などの「勤務場所」を変更する会社も見受けられます。

また、「勤務場所」と比べると物理的な距離を取りにくく効果は少し薄くなりますが、旧体制と同じ勤務場所でもコアタイムをずらした形でシフト勤務する、出勤する曜日を指定しローテーションで回して同一拠点でも、必要以上に多くの人間と接触しないようにするなど「勤務時間」を調整するパターンも有効です。

ここに記載した「勤務場所」や「勤務時間」の調整を行う場合、情報共有が非常に重要になります。

普段何気なく情報共有を口頭でしていたりしたことも、勤務場所や勤務時間が異なることによりスムーズな情報共有が難しくなります。
そのため、場所や時間を問わず顧客や施行の情報に紐づけて情報を常時最新にしていくためにクラウド系の顧客管理システムなどを取り入れる会社も多数あります。

当社でも、クラウド系の顧客管理システム「船井ファストシステム」を提供しております。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

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船井総合研究所|大道賢作

マネージングディレクター
大道賢作

冠婚葬祭・写真館を中心とするライフイベントビジネス、美容室や和装事業などのライフスタイルビジネスの部門責任者。
管轄の領域に関しては規模問わず数多くのクライアントを受け持ち、全国各地でわかりやすく実践しやすいコンサルティングを行っている。
また、各業種にて、マーケティング、人材開発、組織づくり、理念浸透、コールセンター、業務改善、DX化推進など幅広いテーマに対応している。
クライアント企業からみて第三者であるコンサルタントという立場だからこそ、「 常に最終責任者であれ 」という、尊敬する先輩コンサルタントから入社当初に教えられた意識を常に持ち日々経営支援に取り組んでいます。

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