今回のコラムでは、事前相談入会率80%を超える葬儀社が使うツールとはというタイトルでお伝え出来ればと思います。
目次
葬儀を検討している顧客にとって葬儀社の比較検討が当たり前になった今、事前相談の品質向上を大きなテーマとし、改善に向け取り組まれている会社様が多くあります。
その取り組みの一つとして非常に重要であるのが、事前相談の際に使用するツール構成の見直しです。
現在、入会されている会社様の中でも、このツール構成を見直し刷新、併せて営業スキームを変更した事で入会率が大幅に向上した事例があります。
ただこの点に関しては、ただデザイン性の高いものに変えればいいという訳ではなく、最終的に自社会員への入会に至るまでの接客ストーリーに沿ったツールでなければいけません。
つまり、営業(事前相談)の流れに沿った明確な意図のあるツールづくりが肝であるという事です。
私自身、これまで全国100を超える葬儀社の事前相談について調査してきた中で、実際のツール1ページ目が入会案内になっていたり、自社のサービス内容説明の前にプラン紹介ページが入っていたりする場合が散見されました。
また、それ以外にもよくあるパターンとして、ツールは整っているものの、結局のところ実際の事前相談ではプラン紹介のページばかり開いて案内してしまうケースもあるかと思います。
これでは、自社の魅力を十分に伝えきれていない段階で入会クロージングを行うことになってしまう為、営業の流れとして望ましくありません。
特に無形・高単価商品である葬儀という商品の性質を考えれば、顧客側がそれを販売するスタッフ・会社の価値をまず見極めようとすることは必然です。
裏を返せば、会社としての想いやサービス内容を丁寧に伝え、一スタッフとして信頼感を与えてから商品説明をする方が効果的と言えます。
事前相談において正に重要であるのが、この価値上げの順番を間違えないことであり、理想的なのはヒト・モノ・カネの順番に価値上げを行っていく事です。
では、どのような流れで入会までのいく事が望ましいのでしょうか?
下図は、実際のツール構成において良い例と悪い例を図で表したものです。そして同時にこれは、入会率80%を実現するモデル企業のツール構成でもあります。
不適切な構成からまず見てみると、まず会員制度の案内が冒頭にある事がわかります。
事前相談に来られたお客様に漏れなく確実に案内を行う為とも捉えられますが、これは先述した価値上げの順番を考慮すれば不適切であるといえます。
ともすれば、本来冒頭に案内すべき自社のサービス内容やミッション説明が後半になっている点も望ましくありません。
総じて、早い段階で入会するかしないか(購買の意思決定)を伺ったり、プラン説明をする事は、顧客側が葬儀社に対して営業感を感じてしまったり、信頼関係を築きにくい状況が生まれてしまうケースがある為です。
それでは改めて、良い例と悪い例を見比べたとき、どのような違いがあるでしょうか。
まずは、自社のミッション・サービス内容の説明が冒頭にある点、そして会員案内に関しては最後になっています。
また、販売する商品である葬儀プラン説明が悪い例では前半にあるところが後半に。
狙いとしては先述の通り、まずもってプレゼンするスタッフ・会社に対する信頼感を与え、信頼できるスタッフが語る商品に安心感を持ってもらい、その商品の価値に対する費用に納得感を感じてもらう事です。
例えば、お客様とのコミュニケーションから自然な流れで、
「私たちは〇〇をコンセプトとしていて~」
「一生に一度のセレモニーのお手伝いをさせて頂くスタッフとして~」
とソフト売りから入っていき、その後自社が提供する付加価値について説明していくような流れになっています。
また、そこから続く会館紹介や葬儀の流れについては、冒頭に説明した自社のコンセプトに沿って価値を伝える事ができ、購買経験のない無形商品でもしっかり魅力を伝える事ができるという効果があります。
ここまでの説明で信頼関係が築けていれば、葬儀プラン説明においても、それまでの対話から信頼感が生まれていれば、説明に説得力を持たせる事も難しくありません。
そして、最も重要な入会訴求は、付加価値をすべて伝えきったところでもれなく提案をしていきます。顧客が感じる価値が最大になる瞬間こそクロージングに最適なタイミングであるという事は再三お伝えをしている通りです。
これら価値上げの順番に適したツール構成が整っていれば、紙芝居型で高い品質の事前相談を実現できることにもなり、慣れていないスタッフでも入会を獲得しやすいというメリットにも繋がります。
属人的なスキルも当然ありますが、型をつくるという観点からみても、接客ストーリーに沿ったツール構成は重要であるといえます。
是非ツールを見直す際に参考にして頂ければと思います。
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