先日配信したコラムでは、株式会社FUNE様の生成AI活用事例をご紹介しました。
AIは活用することで業務の効率化に大きな影響を与えますが、AIを本格的に活用するためには現場スタッフがAIを活用できるような体制を整えることが重要です。
本コラムでは、先日ご紹介した活用事例を実行するために、どのようにして導入を進めるべきかをお伝えします。
生成AIの導入において最も重要なのは、「経営陣が主導で導入を進めること」です。ただしここでいう“主導”とは、経営陣自身が誰よりもAIを使いこなすことではありません。むしろ大切なのは、AIを活用できる環境を整え、現場スタッフが自然に使える状態をつくることです。
いくら優れたツールでも、環境が整っていなければ現場はこれまでと同じオペレーションを繰り返します。人は「変化」に心理的な抵抗を感じやすく、今までのやり方を維持しようとする傾向があります。AI導入も同様で、「便利そうだけど、今まで通りでも困っていない」と感じる現場では、新しい仕組みが定着しません。だからこそ、経営陣が「AIを使うことが前提の体制」を整え、自然と使わざるを得ない状況を作ることが不可欠なのです。
具体的に必要なものは、「現場の活用コストを出来るだけ下げるもの」と「使わざるを得ない制度」です。生成AIを活用するから進めておいて、と丸投げするのではなく、どのような場面で使うことを想定していて、そのために必要なものをそろえたうえで現場スタッフに共有する。また、共有するだけでは使われない場合があるので、会社ルールとして必ずAIを活用してデータを出力するようにするなど、必ず使わなければいけない状況にすることで、導入を確実に進めていきます。
現場が動くためには、環境を作る必要があります。そして、その環境を作ることができるのは経営陣だけです。生成AIの活用は、技術導入ではなく経営判断の一つ。AIを“使う会社”に変えるためには、まず経営陣が主導して“使わざるを得ない環境”を設計することから始まります。
生成AIを社内に根づかせるためには、「入れること」よりも「使われる状態をつくること」が重要です。そのために整えるべきものは大きく三つ――①会社として使用する生成AI、②生成AIを最大限活用するためのプロンプト(指示文)、③生成AIを使う必要のある社内環境――です。
まず①の「会社として使用する生成AI」とは、ChatGPTやGeminiなどを企業として契約し、社員全員がいつでも使える状態にすることです。個人契約で使っている社員がいても、それでは全員が活用できる環境にはなりません。特にスプレッドシートなどを既に業務で使っている企業では、Google Workspaceとの連携が強いGeminiを導入するメリットが大きいでしょう。
次に②の「プロンプト(指示文)」です。プロンプトとは、生成AIに「何をしてほしいか」「どのような成果物が必要か」を正確に伝えるための指示文です。これを事前にテンプレート化し、送るだけで成果物が完成する状態を整えることで、現場のハードルは一気に下がります。たとえば、打ち合わせ内容を要約するプロンプト、HP用コラムを生成するプロンプトなど、日々の業務で頻出する作業をAIに任せられる形にしておくことが重要です。
そして最も大切なのが、③「生成AIを使う必要のある社内環境」をつくることです。「使ってもいいよ」では誰も使いません。人は変化に抵抗を感じるため、従来のやり方が続けられる環境では、AIが導入されても実際の運用は変わりません。だからこそ、半強制的に“使わざるを得ない”状況を整えることが必要なのです。たとえば、「生成AIで作成した打ち合わせ要約を必ず顧客管理システムに入力する」など、業務プロセスそのものにAIを組み込む方法が有効です。
このように会社としてAI・プロンプト・環境の三つを整えることで、社員は自然と生成AIを使い始め、その便利さと効果を自ら実感するようになります。「導入する」ではなく「使われる環境をつくる」こと――これこそが、生成AI活用を成功させる鍵となります。
今回のコラムでは、生成AI導入に向けて整えるべき環境や仕組みについてお伝えしました。前回のコラムで事例をご紹介した株式会社FUNE様もまさに同じプロセスを経営者主導で進め、導入から実務での活用までスムーズに実現されています。しかし重要なのは、FUNE様が“生成AIを使うこと”そのものを目的としていたわけではないという点です。あくまで目的は業績向上であり、生成AIはそのための手段に過ぎません。だからこそ成果につながったのです。
そして今回、ここまでお読みいただいた皆様に、FUNE様の実際の取り組みを「生」で聞いていただける特別なセミナーをご用意しました。現場のオペレーション改善から売上アップまで、生成AIをどのように活用すれば成果につながるのか、その具体的なノウハウを余すことなくお伝えします。
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【開催情報】
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開催日程 2025年12月5日(金)10:00~12:30
開催場所 TKP東京駅カンファレンスセンター
東京都中央区八重洲1-8-16
新槇町ビル1~3F/8F/10F~12F(事務所:11F)
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