昨年の冬、弊社とお付き合いのある多くの葬儀社で「月あたりの施行件数」が過去最高を更新しました。
例年、冬場は葬儀社の繁忙期であることが多いですが、件数の自然増が見込める分、平均単価を伸ばすことが閑散期以上に重要になります。
このような背景を踏まえ、4回にわたり「単価アップのために今取り組むべきこと」と題して現場で実践できるヒントをお届けしてまいります。今回はその第3回となります。
第1回、第2回のコラムはぜひ、「葬儀経営.com」のコラムページよりご覧ください。
第3回となる今回は、たった3ヶ月でディレクターの平均単価を30万円伸ばした葬儀社の事例をもとに、明日から取り組める内容についてお伝えします。
単価を伸ばすための取り組みとしてまず重要なことは「取り組むことを3つ以内に絞る」ということです。改善項目を増やしすぎると、結局どれも中途半端になりやすい。だからこそ、重点を明確にして全員が同じ方向を向くことが大切です。
今回ご紹介する葬儀社では、「上から下にプランを話す」「ヒアリングの時間を20分以上設ける」「提案を必ずする」という3つのポイントに絞って取り組みました。シンプルですが、これらを徹底して実行することで、受注時のトークに一貫性が生まれ、結果的に単価と成約率が大きく向上しました。
さらに、月に1回の社内会議を実施し、全ディレクターがこの3項目について自分の実践状況を振り返り、改善点を共有しました。会議を行うことで、ただトップダウンで重点項目として話すのではなく、PDCAサイクルを回す環境を会社として整えました。
ディレクターの平均単価を30万円アップさせた葬儀社の事例では「基本を深くやり抜く」ことに注力し、ポイントを3つに絞ったうえでそのポイントを徹底して意識しました。これからその3つのポイントをご紹介してまいります。
1つ目は、「プランを上から下にすべて解説すること」。これまでの現場では、6つあるプランのうち下位2つだけを紹介するケースが多く、結果として上位プランが提案されないまま受注が決まっていました。そこで、上位から順番に説明し、最後に「この内容なら真ん中のプランがおすすめです」と提案する流れに統一しました。この順序を徹底したことで、お客様の中で中位プランの「納得感」が高まり、自然と受注率と単価が上がったのです。
2つ目は、「ヒアリングの時間を20分以上設けること」。以前は施行に必要な情報確認だけで終わってしまい、想いや希望を深く聞く時間が不足していました。そこで、まずお客様の気持ちを丁寧に伺い、そのうえでプランを提案する流れに変更。時間を確保することで、「お葬式=しっかりと送るもの」という意識づけにもつながり、信頼関係もより強固になりました。
3つ目は、「提案を必ずすること」。ただ資料を見せながら説明するのではなく、ヒアリング内容を踏まえて、「なぜこのプランが合うのか」を明確に伝えることを徹底しました。
単なる説明ではなく、“理由のある提案”を行うことで、お客様にとって納得感のある選択が生まれ、より満足度の高い受注へとつながっています。
これら3つの取り組みを全ディレクターが意識して実践した結果、平均単価は30万円アップ。大切なのは、やることを増やすのではなく、「何をやりきるか」を明確にし、全員で徹底することです。
今回ご紹介した事例では、「上から下にプランを説明する」「ヒアリングを20分以上行う」「必ず提案する」という3つのポイントを全員で徹底し、平均単価が30万円アップしました。
さらに、取り組みを一度きりで終わらせず、PDCAを継続する環境を整えることで結果を残されています。
ただし、最初の一歩であるポイントの整理と共有が最も重要であり、同時に難しい部分でもあります。自社で一から整備しようとすると、上がりやすいポイントからそれた内容になることもあります。
そこで船井総研では、全国で家族葬の平均単価100万円以上を実現しているディレクターの成功事例をもとに、「単価アップ研修」をオンラインで開催します。
当日は、今回ご紹介したディレクターをゲストに迎え、受注時の意識やお客様対応の工夫をリアルにお話しいただくほか、今回のコラムでご紹介したポイントのより詳細な解説や社内環境の整備の方法、という観点でもお話ししますので、ぜひご興味のある方はURLよりご確認ください。
次回は、この繁忙期に取り組むべき単価アップ最新事例を紹介します。ぜひこの機会を、繁忙期の売上最大化に向けた準備としてご活用ください。
全国のトップディレクターから学ぶ、単価と満足度を両軸で上げる方法とは
【開催情報】
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◎オンライン開催
開催日程 2025年12月18日(木)10:00~12:30
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