昨年の冬、弊社とお付き合いのある多くの葬儀社で「月あたりの施行件数」が過去最高を更新しました。例年、冬場は葬儀社の繁忙期であることが多いですが、件数の自然増が見込める分、平均単価を伸ばすことが閑散期以上に重要になります。
このような背景を踏まえ、4回にわたり「単価アップのために今取り組むべきこと」と題して現場で実践できるヒントをお届けしてまいります。今回はその第2回となります。
第1回のコラムはぜひ、「葬儀経営.com」のコラムページよりご覧ください。
第2回となる今回は、受注デビュー1年目でも家族葬の平均単価100万円を達成し、社内No.1となったディレクターの事例をもとに、若手や新人の方でもすぐに平均単価アップを実現するための環境を、会社としてどのように整備していくべきか、についてお伝えします。
目次
ここ数年で家族葬が当たり前となりましたが、お客様の葬儀に対する価値観やニーズは大きく変化しています。
例えば、数年前は家族葬でも親族以外の参列者が一定数いたため祭壇の需要がありましたが、現在は参列人数のさらなる減少のほか、直葬比率の増加により祭壇を提案しても「親族数名だけだから」「式はしないから」という理由でプランアップを断られるケースが増えています。
一方で、需要が拡大しているのが「故人様に向けた商品」です。湯灌やメイク納棺といったお体のケア、お別れ花の増量、思い出の品を飾る空間づくりなど、“故人様への感謝”を形にするサービスが求められています。
このように、家族葬と一般葬では需要が大きく異なるからこそ、家族葬の需要に合わせた営業トークが必要になります。例えば、湯灌を先に受注し、湯灌がプラン内に入っているから、という理由でより上位のプランに誘導する。祭壇の規模は求めないがしっかり送ってあげたい、という方にプランに追加で棺がいっぱいになる量のお別れ花を販売する、など、より故人様に向けたサービスを重視したトークが大切になっています。
今回取り上げる事例では、デビューを前に「家族葬のための受注トーク」の落とし込みを実施。そのために、単価アップにつながるトークをマニュアル化したうえで、そのマニュアルをデビュー前にレクチャーしました。
結果、デビュー直後から家族葬での平均単価は100万円を超え、現在もその単価を維持されています。
葬儀ディレクターとしてデビューしてから1年目で高単価を実現し、それを維持しているポイントは「教わったトーク内容を大きく変えない」ということです。多くのディレクターは、受注に慣れてくると「自分なりのやり方」を取り入れ始めます。もちろん、お客様との相性や経験による工夫は大切ですが、その“自分流”が増えるほど、実は単価が下がりやすくなるという傾向があります。
なぜなら、マニュアルに組み込まれているトークは、単価が上がるためのロジックと順序を緻密に計算して構成されているからです。お客様の感情の流れを踏まえ、信頼を築きながら提案へとつなげる設計がなされています。ところが「自分なり」に変えてしまうと、無意識のうちにその構造が崩れ、結果としてお客様の納得感が薄れてしまうのです。
そのため、マニュアルに準じた営業トークが出来るような環境づくりを会社として整備する必要があります。例えばロープレを全員でやる時間を月に1回つくる、定期的にスタッフの打ち合わせに逆同行する、など、どのような打ち合わせを行っているかを、定期的に、チェックする環境を整えることで、”自分流”になりすぎないようにできます。
会社として営業力を上げるためのマニュアルを用意する、そのマニュアルをもとにした打ち合わせが出来るように、会社としてルールを作る、など、会社として単価アップにつながりやすい環境づくりをしていく必要があります。
今回は、入社1年目から家族葬で平均単価100万円を達成したディレクターの事例をもとに、会社として取り組んでいただきたいことをご紹介しました。成果を上げるためのポイントは、「単価の上がりやすいトークを落とし込むこと」と「そのトークからずれないようにし続けること」。この二つを地道に積み重ねることが、高単価を安定して維持する秘訣といえます。
ただし、最初の一歩である「単価の上がりやすいトークを覚えること」が最も重要であり、同時に難しい部分でもあります。自社で一から整備しようとすると、検証や実践を重ねる必要があり、半年から1年以上かかることもあります。
そこで船井総研では、全国で家族葬の平均単価100万円以上を実現しているディレクターの成功事例をもとに、「単価アップ研修」をオンラインで開催します。当日は、今回ご紹介したディレクターをゲストに迎え、受注時の意識やお客様対応の工夫をリアルにお話しいただくほか、マニュアルをどのように作成していくか、という観点でもお話ししますので、ぜひご興味のある方はURLよりご確認ください。
次回は、わずか3ヶ月で単価を30万円アップさせたディレクターの実践事例をもとに、すぐに取り組める単価アップ策をご紹介します。ぜひこの機会を、繁忙期の売上最大化に向けた準備としてご活用ください。
全国のトップディレクターから学ぶ、単価と満足度を両軸で上げる方法とは
【開催情報】
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開催日程 2025年12月18日(木)10:00~12:30
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