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最近、コロナの影響もあり単価下落の時流が加速している中、
経営側としては、「どうにかして単価を上げなければやっていけない」
というところまで来ているのがどのエリアでも見受けられるように思います。
そこで今回は、一つの事例をもとに単価アップについて書かせていただきたいと思います。
見出しにもありますが、今回の事例として取り上げさせていただいたのは、
まず結果からするとお弁当の受注率が”30%”から”80%”に上がった事例です。
<今までのご案内>
「最近はコロナでお料理をお召し上がる方が少なくなってきまして、
代わりにお弁当を用意させていただいているんですけれども…」
<改善後のご案内>
「通常、コロナ前までは通夜ぶるまいとしてお料理をふるまうのが一般的でした。
ただ、
最近になってコロナの影響でお料理をお召し上がるというのが減ってまいりました。
ただそうは言っても、通夜が終わるのがだいたい7時くらいなので夜ご飯は必要になってきます。
コロナでお店が閉まるのが早くなっていたり、喪服で外食というのもなかなかできない、
かといってこの時間に家に着いてからご飯を食べることも疲れる、というお声から
お弁当をご用意させていただいております。
そもそも通夜ぶるまいという形式が一般的ですが、コロナによりそれもできないのでお弁当に変えさせてください。」
弁当の受注率が30%から80%に上がったポイントは下記の3つです。
①どのみち夜ご飯は必要で、
②コロナや喪服で外で飲食もできず、かといってこの時間に家に帰ってご飯を食べることも疲れる。
③そもそも通夜ぶるまいという形式が一般的だが、コロナによりそれもできないのでお弁当に変えさせてください。
冒頭にも書かせていただいたように単価アップは企業存続に欠かせないと考える中で、
現場の担当ディレクターの方に話を聞くと、次のような印象を受けます。
(1)客単価を上げようとするも、なかなか商品やサービスの価値を伝えられない
(2)単価アップはお客様にとって「よくない」と思っている(心の中で)
(3)単価が上がらない原因をコロナなどの外部環境のせいにしてしまっている
(4)客単価が上がらない状況に少しずつ慣れを感じてしまっている
これを見ると、上から順に単価下落の理由が繋がっていっているのがわかります。
要するに、(1)の「商品・サービスの魅力をうまく伝えられるようにする」ことが
一番最初に目を向けて取り組まなければならない重要な要素になります。
そのときに必要なのが、
「担当者自身がその商品やサービスについて納得しているか」という売り手の納得量です。
業種業界を問わず、何かを売るときは
売り手自身がその商品の魅力を知っていなければモノは売れません。
今回の例では、「お弁当が受注できない」ということで、ディスカッションを行った結果、
上記の3つのポイントを抑えることがお弁当をお勧めする理由であることを、担当者全員が納得する形になりました。
単価アップも同様で、グレードの高い商品を売り手自身が、
心底良いと思っていないとグレードアップできず、単価が上がりません。
だからこそ、単価アップに重要な商品の魅力について、一度立ち止まって考えていただきたいと思います。
業種は違いますが、ある生花店では花がどのように育てられているのか
従業員一人ひとりが視察に行くことで商品知識や育てられている環境、作り手の想いを学び、
現場でお客様にその様子を伝えることで販売強化を実践している生花店があります。
葬儀においても、例えば祭壇、湯かん、オリジナル会葬礼状、ナレーション付き司会、棺や仏衣など、
一つ一つの商品について売り手自身が納得するまで考えていただければと思います。
コツとしては、自分の愛する人の葬儀をどのようにしたいかな?と考えることで商品の魅力を考える方法です。
その際、「きっとこの商品(サービス)はやるべきだ」と決め打ちして、その理由を考えるようにしてみてください。