船井総研のエンディンググループでは経営計画策定合宿という企画を毎年実施しています。
字のごとく、会社の経営者にお集まりいただき2泊3日の合宿をして中期経営計画を立てる、見直す、磨き込むということを日常業務から完全に隔離された空間で行っていただくというものです。
こうした計画を立てていくと業績を伸ばしていこうと思った場合どこかで拠点を増やさなければなりません。例にもれず、皆様の立てられる経営計画の中にはペースの違いはあれ、必ず新規出店することが盛り込まれています。
そこで重要になってくるのが初年度の実績をどう設定するのかというところなのですが、30件だったり60件だったり100件だったりまちまちです。もちろん、どれも間違いではないです。しかし、初年度が30件であろうが、120件であろうが設備投資の額が変わらない訳なので、立ててしまった以上稼働率にとにかくこだわって、早く回収し、無理せず早く次の投資に移ることを考えなければなりません。
そうなると、計画の中で初年度120~150、商圏によっては200件を目指し、それを実現するために大きく投資をする必要があります。例えば年間300万の広告費を使っている店舗と1000万の広告宣伝費を使っている店舗では成果が違うことがだれにでも安易に想像できるでしょう。実際に業績を異常な速度で伸ばしている会社は葬儀業界の水準と言われる売り上げの3~5%の広告費の倍である10%程度の投資をし続けています。他よりも大きく伸ばすためには使うものもそれなりでないといけない訳です。(もちろん内容にもこだわる必要があります)
しかし、決して小さい金額ではないため中々思いきることが出来ないということが大半でしょう。それでも成果を出していく以上ここは決して避けては通れないところです。
そんなときにお勧めなのが集中投資先をしっかり絞りこむことです。極論で言えば新店を出す年は小さい会社ほど、その他全ての経費を抑えてでも、新店の販促に絞って集中投資すべきです。
結果としては早期の件数増≒お金を生み出す装置となってくれますので、抑えていた他の箇所にも翌年以降しっかり費用を充てられるようになるので色々好転します。
業界の水準値や経費の使いかたのバランスも非常に重要ですが、バランスだけ整えていると資本力のある会社に包み込まれやすいのも事実。
時にこういった「戦略的異常値作り」をしていくことで一気に業績を上げるという意思決定の選択肢をもっておいていただければと思います。