葬儀経営ドットコムでは、船井総合研究所が手がけてきた累計50か所以上の樹木葬霊園立上げの実績から、樹木葬ビジネスのやり方を、「樹木葬の立上げ戦略」「樹木葬の販促チラシデザイン」「樹木葬の営業ツールデザイン・営業手法」に大きく分けてご紹介いたします。
目次
・樹木葬ビジネスのノウハウを知り、自社で立上げようとお考えの方
・エンディングビジネスの中で、新規業態立ち上げをご検討の方
・樹木葬を入口に、生前客を集めていきたい葬儀社様
・樹木葬の立ち上げを戦略的に進めるために必要な考え方
・樹木葬の販促手法
・樹木葬の営業ツールの作り方・営業の進め方
近年、樹木葬の数は増加傾向にあります。船井総研が独自に調査したところ、2021年現在、全国の樹木葬は約800拠点程度あると把握しております。メディアの追い風もありますが「跡継ぎがいない方」向けの商品である樹木葬は今後ますます増えていくのではないかと思います。
樹木葬が急増している理由として、大きく3つ挙げられます。
①初期投資が比較的低額(200万~300万程度)であること
②終活ブームで生前から葬儀やお墓のことを考える消費者増加傾向にあること
③世の中でも「跡継ぎ不要・永代供養」の「低額で買える墓地」のニーズが高まっていること
このような理由があり、葬儀社様にとっても、アフター商材の用意ができるというメリットがあり、業績アップに貢献できる商材となります。
では、樹木葬ビジネスを立ち上げる際には、どのようなことを考えておくべきでしょうか?
全国的に樹木葬が増えている中、船井総研でも、仏壇店様・墓石店様・葬儀社様からのご依頼を受け、累計50か所以上の樹木葬立ち上げをお手伝いさせて頂きました。
樹木葬は営業利益60%以上の高利益率を実現できるビジネスモデルです。
購入される方の大半は生前客であるため、既存事業(仏壇・墓石・葬儀)の相乗効果も期待できます。
実際にご支援先の仏壇店様では樹木葬をはじめてまだ1年が経っておりませんが、購入された約10%の方が仏壇の購入に繋がっております。
一方で、基本「売り切り型モデル」であるため、区画が埋まれば当然収益は止まります。
重要な事は、その生んだ利益をどこに使うのか?ということです。
例えば、売上3000万、営業利益1800万の結果を出したとしても
今年はキャッシュが残り経営的にも潤います。ただ、翌年はどうか?となると、拠点数を増やさない限り、継続的に収益を出す事は難しいと言えるでしょう。
そのため、行わないといけないことは、未来における事業に投資することです。
仏壇店様・墓石店様では市場規模縮小に伴い、今後ますます事業は難しくなってくるかと思います。
そのため、例えば葬儀事業への参入なども視野に入れるのも一つの手です。
葬儀社様で言えば、出店を行う資金として活用する手もあるでしょう。
このような「樹木葬立上げに成功した後に投資する先」を立ち上げる前または立ち上げつつ考えていただくとよいでしょう。
そして次に大事なことは樹木葬立ち上げまでのスピード感。
この先ますます樹木葬における競合先も増加してくるかと思います。
実際、お付き合い先の企業様でも、直近1年で競合先企業が2拠点出てくるといったことが起こっております。尚且つ、その競合先は自社よりも低価格の品揃えを用意しております。
競合対策も考える事ももちろん大事ですが、シンプルに重要な事はスピード感です。
先ほども記載通り、「売り切り型モデル」である事を前提に、拠点を構えたのであれば1か月~2か月で売り切る。そして展開するのであれば一気に展開する。
樹木葬の立ち上げまでにスピード感を持って進めることが、一番リスクが少なくリターンも大きいです。
樹木葬の立上げを新たに検討する場合、「樹木葬立上げに成功した後に投資する先を考えておくこと」「立ち上げを実行する場合、スピード感をあげて一気に進めること」の2点を意識しましょう。
あわせて読みたい:【葬祭業の業績アップ】葬儀社が樹木葬に取り組むべき4つの理由
▼樹木葬の立ち上げにご興味のある方は、こちらの無料相談もご利用ください
早速始めようというときに、まず気を付けないといけないのは、「樹木葬の業務提携」。
仏壇店様・墓石店様・葬儀社様で、「すでに墓地を持っている」、という場合は少ないかと思います。そのため、まずは墓地をすでに持っている寺院様を見つけ、樹木葬を一緒にやってもらえるよう、業務提携を依頼する場合が多いかと思います。
そんな「樹木葬の業務提携」を進める際に、「 とにかくどこかと組めればいいなら簡単だ 」と思われる方もいるかと思います。
しかし、業務提携の際に条件として NG になってしまうポイントがあるので、注意点として 4 つお伝えします。
1点目は、墓地の経営許可を寺院が持っていない場合です。
ほとんどの場合寺院は経営許可を持っていますが、許可番号が出てこない寺院や、「 みなし墓地 」という言葉を信じきっている寺院は、危険です。
なにかあった時に叩かれないように、樹木葬立ち上げ後のトラブル回避のためにも、経営許可と墓地の地目は確認しておきましょう。
樹木葬の強みは宗旨宗派が不問なので、どんな方もお墓に入って頂けることを打ち出すことが必要となります。
実際、宗教的な制限がかかるだけで驚くほど売れ行きが変わります。
ある会社様では、仏式のお葬儀を執り行った故人のみ埋葬可能という条件がありましたが、「 契約したい 」となるお客様でも「 その条件がなければいいのに 」という声が多く聞かれました。
寺院に格安の納骨堂などがある場合には、樹木葬を売るのが難しくなります。
境内にある納骨堂は、販促活動をしていないだけで、樹木葬とミックスで販促を行ってしまうと、納骨堂の方が魅力的に映ってしまう可能性が高いです。
ある会社では、樹木葬と納骨堂を同じ値段で販売していましたが、納骨堂ばかりが売れてしまいました。「 同じ値段なら、安全そうな室内の方がいい 」というお客様が多いのです。
ある寺院では、「 樹木葬 」のことを、「 樹木墓 」、「 樹林墓 」、「 樹林葬 」といった一般的な呼び名とは違う名称で売り出してくれるなら提携してもいい、ということがありました。
もちろん樹木葬を開発することはできますが、消費者に浸透しているのは「 樹木葬 」であって、「 樹林 」などという言葉は浸透していません。当然お客様からの注目度も下がってしまいます。
樹木葬は時流商材なので「 早くやりたい 」という気持ちから、お寺の条件をついつい多く呑んでしまう会社様は多いですが、樹木葬を失敗しないように上記の 4 点に気を付けてください。
▼樹木葬の業務提携でお困り・お悩みの方は一度ご質問いただけますと幸いでございます。
樹木葬ビジネスを成功させるためには、「区画をどのようにデザインするのか」「販促をどうするのか」が非常に重要になります。
この2つを攻略するために必要なポイントが「限定感訴求」です。
※周辺に競合となる樹木葬がない場合に限られます。
もし強い競合がいる場合には、それ相応の攻略法がございますので、一度当社コンサルタントにお尋ねください。
まず、「区画をどのようにデザインするのか」を考える際には、最初から大規模に広く造設するのではなく、”あえて”限られた区画数を造設し、「限定〇区画」と訴求するようにします。
加えて、競合がいないエリアであれば、「 地域で唯一の樹木葬 」のような打ち出しが非常に有効です。樹木葬は時流商材であるものの、まだまだ数が多くありません。「 地域で唯一の樹木葬 」となれば、「 近くに樹木葬がないから早く買わないとなくなってしまう 」というお客様心理をあおることができます。なので「 唯一 」や「 限定 」という要素を入れることで、より即売につなげることができます。
ある会社では、「 〇〇エリアで初の樹木葬 」という打ち出しと、「 限定60区画 」という打ち出しを行い、1ヶ月で3,000万円を売り上げたという事例もあります。
上記の会社も60区画以上広げられる余地のある場所でした。ただこれを一気に200区画など造成してしまうと、最初の1~2ヶ月は売れ行きがよく埋まっていったとしても、全体でみると「 まだまだ空いている 」ように見えるので、ご案内したときに「 まだ余ってるからまた今度でいいや 」となり、成約スピードが落ちてしまいます。
区画数の目安は、船井総研のお付き合い先では、30~40区画造成すると、20区画は1ヶ月以内に売約、50~60区画を造成すると30区画は2ヶ月以内に売約します。つまり「 限定感訴求 」をして、非競合エリアでOPENから即売を目指せるのは30~60区画程度が目安になります。
もちろん100区画の余剰があって50区画ずつ造成すると、まとめて造成するよりも開発費がかかりますが、それでも「 限定感訴求 」で即売を行う方が売上にはインパクトを作れます。
「 限定30区画のみ販売 」という訴求をすることで、OPENしてから即売しやすくなります。
ただしこれは競合がない時だけです。2000区画を構える樹木葬の近くで“限定感訴求”をしても「 こっちにたくさんあるし 」となってしまいます。少ない区画数で「 限定感訴求 」をして、樹木葬の即売に成功し、次のステップに進めていけるようにしていきましょう。
▼樹木葬で「売れる区画づくり」を貴社に合わせてお答えいたします。
樹木葬が無事開発され、いよいよオープンが近づく中で考えておきたいのが、「樹木葬の営業の進め方」です。
ここでは、「準備」と「接客対応時」に分けて解説いたします。
・樹木葬の営業ノウハウ…準備編
樹木葬の営業において、必要となるツールが3つございます。
「カウンセリングシート」「名刺」「アプローチブック」の3つです。
これらを準備しておきましょう。
それぞれの役割を書き出してみると、その必要性がおのずとわかるようになります。
・名刺…お客様への自己紹介と自社の理念やコンセプトの説明に使用
・ヒアリングシート…お客様への接客手順とヒアリング項目を網羅し、お客様への最適な提案のために使用しつつ、名簿獲得を自然と実施
・アプローチブックは説明不足防止と成約率向上
それぞれ解説します。
樹木葬にお客様が来場された際に、まず、お客様をお迎えして、着席して最初に自己紹介をしていただくときに使用します。
その時に名刺のポイントとなるのは、「樹木葬コンシェルジュ」とか「お墓アドバイザー」みたいな肩書をつけておくことです。特に、墓石の資格がある方はその資格をぜひ掲載してください。
なぜ「肩書を載せる」かというと、「この人は樹木葬のプロなんだ」「この人はお墓のプロなんだ」と思っていただくことで、お客様に対してアドバイスする建前ができます。
また、名刺に掲載する連絡先は、電話番号だけの場合が多いかと思いますが、「なかなか電話しづらい」という方もいますので、メールアドレスや樹木葬のウェブサイトのURLかQRコード、会社様によってはLINE公式アカウントのQRコードを記載するようにしていただくのがベストです。
お客様が「あの樹木葬の内容をちょっと確認したいな」と思ったときに、名刺を見て連絡・確認できますので、必ず載せましょう。
自己紹介をした後、お客様のご事情をお伺いするために、「ヒアリング」をされるかと思います。
そのために活用するのが、「ヒアリングシート」です。内容としては、お客様のお悩みをお聞きし、ご案内の手順をお伝えできるようにしております。
表面は今回のご案内の流れを記載しております。
先ほど自己紹介をする際に「名刺を活用しましょう」とお伝えしましたが、それでもやはり樹木葬の見学でご来場のお客様は「やっぱり樹木葬の営業をされるんじゃないか?」と懐疑心を抱きながら聞いている方がおります。
ですので、その懐疑心を晴らすためにも、ヒアリングシートの流れに沿って、ご説明しましょう。
そして、ヒアリングをする大義名分をお伝えしたうえで、裏面に進むと「お客様のご事情をヒアリングする」という大義名分のために必要な情報を書いていただくという流れでツールを設計します。
特に裏面で気をつけていただきたいのは、パーソナルな情報が取れたほうが名簿獲得の観点では良いのですが、たくさん情報を書いていただくということになると、お客様にとっては、時間が取られるのでちょっと書くのめんどうだな、という方もいらっしゃいます。
なるべく必要最低限の情報だけを載せてツールを作成いただくとよいでしょう。
最後はアプローチブックです。
お客様への樹木葬の説明をするときや、資料請求に対してお客様にお送りする資料のことを、ここではアプローチブックと呼んでおります。
樹木葬のアプローチブックには、樹木葬の価格や樹木葬のコンセプトを記載しするのはもちろんですが、どちらかというと「お客様に対面で説明するための資料」として活用するために、営業担当の方が1ページ1ページめくって説明していけるアプローチブックすることをおすすめします。
なぜなら、営業の方に別で営業のためのマニュアルを用意する必要がなくなります。
アプローチブックを最初から最後まで読み進めるだけで、お客様に漏れのない説明ができるようになるような資料を作ることで、営業の際の説明漏れを無くすことが可能になります。
以上、樹木葬の営業ノウハウとして「必要となる3つのツール」についてご紹介いたしました。
具体的な活用方法については、下記の動画にもまとめておりますので、あわせてご覧ください。
【船井総研】樹木葬を販売するならコレ!ツール3選!
樹木葬の営業ツールも整えたら、見学会でどのように成約率を最大化するノウハウも知っておきましょう。
成約が取れない会社様が断られる理由として多いのが、「樹木葬のイメージと違った」や「自然に還る形ではないからやめる」というように樹木葬という商品、「モノ」を理由に断られています。
成約率をあげるためには「墓じまいをしたい」というニーズや「後継者に迷惑をかけたくない」という「コト」を解決することが重要なのです。
そこでカウンセリングをすることにより、お客様の抱えている問題を聞き出し、その解決手段として樹木葬が適しているという提案型の営業ができます。
上記のような提案型の営業でカウンセリングを効果的に行うポイントは3つあります。
①最初に着座してもらう現地で接客をしながらカウンセリングを行うよりも、最初に着座してもらい、カウンセリングだけの時間を取る方がお客様の抱えている問題を聞き出しやすくなります。
現場で接客して「モノ」に注目されてしまうよりも、着座して行う方が、お客様が他のことに目を向けることなくカウンセリングに集中できるからです。
②カウンセリングシートを作成する営業によってカウンセリングスキルが違うので、聞かなければいけないカウンセリング項目をあらかじめ作ったシートを作成します。
こうすることでお客様の抱えている問題を誰でも同じレベルで引き出すことができます。
③カウンセリングを行う大義名分を伝える「お客様にとって最適なご提案をさせていただきたいと思っています」というカウンセリングを行う大義名分を伝えることが重要です。
大義名分を事前に伝えることで、お客様の抵抗感が取れ、質問に答えやすくなります。
以上のポイントを押さえたカウンセリングを実施することで、売り方を「モノ売り」から「コト売り」に変化させ、樹木葬の成約率アップにつなげていきましょう。
〇樹木葬の立ち上げを成功させるためにも、まずやり方を学びましょう!
ここまで、樹木葬の立ち上げを成功させるために考えておきたいことをお伝えしてまいりました。
大きく、「樹木葬の立上げ戦略」「樹木葬の販促チラシデザイン」「樹木葬の営業ツールデザイン・営業手法」の3つについてお伝えしてきましたが、これらの内容含め、動画でもノウハウをお届けしております!
「樹木葬の開発事例を知りたい」「より詳細な販促の仕方を知りたい」という方は、こちらの動画もあわせてご覧ください!
船井総合研究所では、これまで累計50件以上の樹木葬霊園の立ち上げ支援実績がございます。
当社の樹木葬立ち上げの成功事例を一部ご紹介させていただきますと、
・葬祭業から初めて樹木葬事業をスタート。オープン1年で2500万円の売上を達成!
・仏壇店が霊園事業未経験から樹木葬を立ち上げ、2年で2拠点を展開し総売上7,000万円を達成
・石材店が2年で3拠点の樹木葬を立ち上げ、総売上5,000万円を達成
上記に限らず、多くの実績がございます。
・葬儀のアフター商材をもっと強化したいと考えている
・仏壇・仏具の売上が減少し、新規業態に取り組みたいと考えている
・建墓が減少している中でも売上を挙げられる商材を持ちたい
このようなことを少しでも思った葬儀社様は、まずは樹木葬の無料相談をご利用ください。
船井総合研究所の樹木葬立ち上げの経験豊富なコンサルタントと直接個別でご相談いただく事ができます。
もちろん、貴社がご相談いただいたことが他の会社様に知られることはございませんのでご安心ください。