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コンサルタントコラム

  • 時流予測

「公助」の限界と寺院の未来。地域の「終のセーフティネット」になる時代へ

【執筆者: 】

日頃より本メールマガジンをご購読いただき、誠にありがとうございます。
皆様の寺院経営の一助となれば幸いです。

さて、本号では、迫る「2040年問題」を捉えた超高齢・多死社会を見据え、
寺院が地域社会において果たすべき新たな役割、そして寺院経営の未来にとっても重要な一手となり得る
「高齢者等終身サポート事業(身元保証事業)」について、その必要性と可能性を深く掘り下げてご紹介いたします。

2040年問題:「公助」の限界と「シニアの孤立」

すでにご承知の通り、2025年、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護需要が爆発的に増加しています。
しかし、これは「高齢化社会」の序章に過ぎません。

私たちが真に直面すべき未来、それが「2040年問題」です。

2040年、団塊ジュニア世代が高齢者となることで、日本の高齢者人口がピークを迎え、
総人口に占める高齢者の割合が過去最大の約35%に達すると試算されています。
同時に現役世代(15~64歳)の人口急減も進行し日本経済や社会保障の維持が危機的状況に陥るとされています。

「支え手」の急激な減少により、社会保障制度の持続可能性は極めて厳しい局面に立たされるため、
行政による「公助」は、財源不足から今以上に縮小・機能不全に陥る可能性が極めて高いと言わざるを得ません。

さらに深刻なのは、高齢者自身の「さらなる高齢化」です。85歳以上の人口が増加し続け、介護や医療のニーズはより複雑化・長期化していきます。

「公助」は期待できず、頼るべき「家族(支え手)」も減っていく。 こうした社会で最も深刻化するのが、「シニアの孤独・孤立」です。

家族形態の変化により「おひとりさまシニア」は増加の一途をたどり、頼れる身内がいない方々が、入院や介護施設への入居手続き、日々の生活の不安、そして「死後の手続き」に直面し、誰にも相談できずにいます。

「公助」も「共助(地域のつながり)」も衰退していく中で、この「声なき不安」に、一体誰が寄り添うことができるでしょうか。

かつて「駆け込み寺」と呼ばれ、地域の人々の「生老病死」の苦悩に寄り添い続けてきた寺院こそが、
公助の限界を補う「終(つい)のセーフティネット」としての役割を担うべき時が来ているのです。

寺院だからできる「高齢者等終身サポート事業(身元保証事業)」とは?

今回私たちがご提案したいのは、寺院が主体となる「高齢者等終身サポート事業(身元保証事業)」です。

これは、従来の檀家制度の枠組みを超え、地域に住まう高齢者や身寄りのない方々が抱える
「生きている間の不安」から「亡くなった後の不安」までを、ワンストップで支援する取り組みです。

具体的には、以下のようなサポートが挙げられます。

 

① 身元保証・身元引受

病院への入院時や、介護施設・賃貸住宅への入居時に必要となる「身元保証人」を、寺院が支援する法人等が引き受けます。

② 生活支援・見守り

定期的な見守り訪問や電話、通院の同行、買い物代行、役所の手続き支援など、日常の「ちょっとした困りごと」に寄り添います。

③ 財産管理・任意後見

認知症などによる判断能力の低下に備え、専門家と連携し後見制度等を活用することで、大切な財産を守ります。

④ 死後事務委任

ご逝去後の葬儀、納骨、関係各所への連絡、家財整理、デジタル遺品の整理といった「死後の手続き」一切を、ご本人の遺志に沿って執行します。

行政や民間企業でも個別のサービスは存在します。
しかし、これらすべてを包括し、何よりも「安心感」と「信頼」をもって「最期まで」一貫して寄り添える存在は、
地域に深く根差し、数百年という時間軸で「いのち」を見つめてきた寺院をおいて他にありません。

なぜ今、寺院がこの事業に取り組むべきなのか

「それは福祉の領域ではないか」「寺の本分から外れるのでは」 そう思われるご住職もいらっしゃるかもしれません。
しかし、下記3つの理由から今こそ寺院が取り組むべき事業であると言えます。

1. 寺院の「本来の役割」の実践
古来、寺院は地域社会の「相互扶助」の拠点でした。
檀家様や地域の方々から寄せられる「老後」や「終活」に関する漠然とした不安に対し、具体的な解決策を提示し、安心を届けること。
「死後(供養)」だけでなく、「生きている間の不安」にも応えることこそ、現代社会において寺院が果たすべき「本来の役割」の実践に他なりません。

2. 地域における「新たな存在意義」の確立
檀家制度の希薄化や「寺離れ」が叫ばれる中、寺院の存在意義が改めて問われています。
「お葬式や法事の時にだけ行く場所」から、「困ったとき、不安なときに頼れる場所」「いつでも開かれた場所」へと、寺院のイメージを刷新する絶好の機会です。
地域包括ケアシステムの一翼を担う「心のセーフティネット」として、行政やNPOとは異なる独自のポジションを確立できます。

3. 寺院経営の「未来」への布石
本事業を通じて、会員様との継続的な「ご縁」が生まれます。
そして何より、身寄りのない方から「最期はあのお寺で」と、死後事務や永代供養のご依頼に繋がるケースも多く、結果として寺院の未来を支える「確かなご縁」となるのです。

セミナーのご案内:すべては「最初の一歩」から

とはいえ、「具体的に何から始めればよいのか?」「法的な問題は?」「資金や人材は?」といったご不安も多いことと拝察いたします。

そこでこの度、実際に高齢者サポート事業を立ち上げ、地域に多大な貢献をされている先駆的な寺院様をお招きし、
その具体的なノウハウと「事業運営のリアル」を学ぶセミナーを開催する運びとなりました。

「公助」の限界が明らかになる2040年を見据え、地域社会から本当に必要とされる寺院であるために。
この事業は、寺院の未来、そして地域の未来を拓く、大きな可能性を秘めています。

ご多忙中とは存じますが、将来を考える上で必ずやお役に立てる内容と確信しております。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

【リアル開催】寺院時流予測セミナー ▼お申込みはこちら 

【開催概要】
日程:2025年12月9日(火)
時間:12:30~17:00
場所:船井総研グループ 東京本社
サステナグローススクエア TOKYO(八重洲)

セミナー詳細・申込はこちらから>

【オンライン開催】寺院時流予測セミナー ▼お申込みはこちら

【開催概要】
日程:2025年12月18 日(木)、12月23日(火)
時間:12:30~17:00
場所:オンライン開催

セミナー詳細・申込はこちらから>

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