気が付いたら、2月も後半戦、そろそろ春の足音も近づく頃になってまいりました。
今回は、前回に続き「檀信徒様から喜ばれる寺院作りにつながる3つの取り組みとは?」をテーマに、コラムをお届けいたします。
改めまして、「檀信徒様から喜ばれる寺院作りにつながる3つの取り組み」とは、下記の3つとお伝えしてまいりました。
1、寺報・行事などのつながりを体感できる取り組み
2、檀信徒制度・護持会制度のような会員制度
3、日常のやりとりや法務など、寺院での応対
前々回は、「1、寺報・行事などのつながりを体感できる取り組み」として、寺報の重要性や行事開催によるお寺の地域内における認知度向上ならびに檀信徒数増加につながる取り組みをご紹介いたしました。
また前回は、「2、檀信徒制度・護持会制度のような会員制度」について、既存ある檀信徒会・護持会制度について、内容や名称のような見え方を見直すことで、ここ最近で会員数を伸ばされている寺院様の事例をご紹介し、見直しのポイントをお伝えいたしました。
今回は「3、日常のやりとりや法務など、寺院での応対」について解説いたします。
普段から、檀信徒様からのご仏事のご依頼やご相談のお電話や来寺いただいて雑談など、いろんな日々の「やりとり」が発生していることかと存じます。
例えば、このように。
「うちの家の仏壇がだいぶ古くなってきてねえ…」
「この前息子が実家に来て、付き合いのあるお寺さんってどこだい?って話があってね…」
「最近、足が弱って、お寺にお参りするのが大変でねえ…」
その時は、「ただの雑談・相談」だったことも、よくよく聞いてみたら、「ご依頼」や「お願い事」につながった、という経験はございませんでしょうか?
上記のお話の中で言えば、
「うちの家の仏壇がだいぶ古くなってきてねえ…」
→実は、そのお家ではかなり昔から仏壇があり、そろそろ処分しようか悩んでいた
「この前息子が実家に来て、付き合いのあるお寺さんってどこだい?って話があってね…」
→実は、息子が出てから、実家の家族の墓のことについていつか相談しようと考えていた
「最近、足が弱って、お寺にお参りするのが大変でねえ…」
→実は、今お世話になっているお寺が遠方であることから、お付き合いする菩提寺を変えようか悩んでいた
このような具合でしょうか。一方で、こういう話を「顧客の情報(やりとりの記録)」として、自坊で残されておりますでしょうか?ご住職様や坊守様(寺庭様)の頭の中ではあっても、寺族や寺務員に共有していない、ということはありませんでしょうか?
とあるお寺様では、このような「やりとりの記録」を残し、1日の終わりに共有する時間を設けることで、それぞれのご相談に対して、ご提案できることを先んじて準備されており、次に電話や来寺された際に、ご提案しているそうです。
このような「積極的な提案をできる」ようにするための、「日常のやり取りの記録・共有・対策」が法務の収入増につながるのです。
加えて、上記のような提案をするために、もう1点大事なポイントがあります。
それは、「お寺で対応できることを明文化すること」です。
具体的には、「ご法事のご依頼の仕方」「万が一ご葬儀が発生したときには」といった、「お寺さんで対応できること」について、ご依頼をする方法や流れ、掛かる費用(お布施は除きます)、必要な準備などをパンフレットや冊子にまとめておき、提示できるようにする、ということです。
先述のお寺様では、この取り組みも一緒に実践することで、電話応対や突然の来客で、「このようなことをお願いしたいのですが‥」と言われた場合に、寺族の誰でも統一したご案内ができるため、住職様以外の方がご法務のご依頼をお受けできるようになったそうです。
ご依頼を受ける人が増やせるため、必然的にご法務の依頼件数が増加します。
また、お檀家様にとっても、ご依頼できる内容が明確になるため、新規のご依頼について、問い合わせ数自体も増加しているそうです。
このお寺様では、この取り組みが功を奏して、このお寺様の年間のご法務による収入が1.5倍に増えております。
以上、3回にわたって、寺院様の「檀信徒様から喜ばれる寺院作りにつながる3つの取り組み」について、解説してまいりました。
改めておさらいしますと、下記の3つとなります。
1、寺報・行事などのつながりを体感できる取り組み
2、檀信徒制度・護持会制度のような会員制度
3、日常のやりとりや法務など、寺院での応対
これらの取り組みを、ぜひ見直して、実践してみてはいかがでしょうか。
上記の取り組みについて、実際の事例・内容とともに、お檀家様への対応を最適化するメリットを知っていただき、さらに寺院様の大きな負担増にならずに、お檀家様への対応の最適化の手法を一通り把握いただくことができます。
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