2013年8月14日更新
最近、私のご支援先の周りには競合の出店が相次いでいます。
新規に会館がオープンするとどうしても少なからずシェアは奪われてしまいます。
シェアの低下を食い止めることが出来なければ、
今後も資金力のある大手が出店してくるとシェアを奪われ
じわじわと衰退していくことになります。
そうならないためにも、
競争から抜け出すことのできる経営を行わなければなりません。
そのために私のご支援先では競合他社との
新規のお客様獲得競争をするのではなく、
圧倒的な信者客を作ることに比重を置いた取組を行っています。
しかし、一体どうすればお客様は圧倒的な信者になってくれるのでしょうか?
その答えは
「お客様が自社の想いに共感しているかどうか」ということにあります。
お客様があなたの会社の想いに共感し
「あなたの会社を応援したい!」という状態を作ることができれば
自然と新規客獲得競争から抜け出すことができるのです。
私のご支援先A社は「A社を通して家族の絆を紡ぎたい」という想いがあるので、
2年ほど前から葬儀施行やイベントなどで「家族の絆を紡ぐ」取組を
徹底して行っています。
例えば、会員限定イベントでは「デジカメ教室」を行ったりしています。
その背景には「シニアの方々がデジカメの使い方を勉強したら、
家族や孫の写真をよく撮るようになり家族の絆が紡がれていくよね」という
メッセージがあります。
このようなイベントを月1回以上行っていると
「想い」の部分に共感したお客様が増え、圧倒的な信者客となり
非競争の状態になってきます。
決して、競争から抜け出す経営を行うということは
業績が急拡大する方法ではありません。
しかし、持続可能な成長を実現してくれます。
もし「競争ばかりはもう嫌だ」と思われる場合は、
「自分は何のために葬儀社を始めたんだろう?」ということを
今一度見つめなおし、「自社の想い」をお客様に伝えていく
行動をおこなってみてはいかがでしょうか?
2013年7月10日更新
今、業績が良い葬儀社様には2つの共通点があります。
1つ目は、マーケティング活動をしっかりと行っている葬儀社様です。
当たり前のことですが、年間の販促計画を立て
一つ一つの販促の目的を明確にしながら
行動を行っている会社は業績が好調です。
ここで重要なポイントは
短期的視点だけでマーケティング活動を行わないことです。
即効的な結果ばかりを期待して行動している葬儀社様は
業績がジリ貧になっている傾向にあります。
速効的な結果を期待するもの(例えば、感謝祭や勉強会、相談会など)と
遅効的な結果を期待するもの(例えば、月々の折込チラシ、
看板、会員向けイベントなど)
をミックスし、マーケティング活動を行っていくことが必要です。
2つ目は、施行に関して
他社との明確な違いを生み出せている葬儀社様が好調です。
当然、施行を滞りなく行うことは葬儀社として最低限必要なことです。
しかし、それだけでは他社と何も変わりません。
変わるとすれば施設が違う、などハードな面だけです。
例えば、業績好調の葬儀社様の一つに、2,000円サプライズというものを
義務付けて行っている会社があります。
これは担当者が1施行あたり2,000円の予算枠を持っていて、
その予算の中であれば何を行ってもいい、というルールです。
このルールを作ることでお客様のパーソナル情報をヒアリングし、
「どうすればこのお客様を喜ばすことができるだろうか」と
担当者、そして会社の意識が変わってきます。
(ただのメモリアルコーナーを作るのではありません。)
その他にも、お別れの儀への演出をこだわる会社なども業績好調です。
このように、それぞれの会社によって手法は異なりますが、
他社と施行中に違い生み出しているということは共通しております。
今、業績を上げている葬儀社様の中で共通点は、
実は、これらの単純な2つのことが徹底できているかどうかなのです。
ぜひ、皆様も一度、自社の取組を見つめ直し
上記2点の実行&精度を高めていくことに
チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
2013年4月24日更新
H社で進めている全館POP化計画。
雰囲気がとても温かくなり、会館全体がアットホームな感じになりました。
特に右の写真にあるようなタオル、
ひざ掛けなどのメッセージは、
あるのとないのでは大きく違います。
POPをつける必要性は、お客様にメッセージを伝えるためにあります。
せっかくいいことをやっていてもそれが伝わっていないこともあります。
情報は伝わってこそ意味があります。
小売店においては、POPの良し悪しは売り上げにもつながる重要なものです。
サービス業においては、その心配りのレベルを感じさせる意味でも
重要な位置づけといえるでしょう。
ただし、注意しなくてはならないことはあります。
それは「手書きでなければならない」わけではないということです。
H社のコンセプトは「アットホーム」。
アットホームには温かさが必要です。温かさを追求するために手書きを活用。
これは自然な流れです。
多くの会館には、コンセプトや雰囲気があると思います。
高級感があるところもあるでしょう。
そういったところには上で紹介したようなPOPは雰囲気を壊してしまいます。
以前も紹介したことがある右下のような少し堅い感じの筆文字にして、額に入れる。
判を押すことでアットホームとは違った印象になっているのではないでしょうか。
せっかく伝えるものがあるのであれば、
会社の雰囲気、会館の雰囲気、コンセプトなどを意識して、
より有益なものにしていけたらいいですね。
2013年2月27日更新
私のご支援先のK社様が新たに始めた取組が、「小さな感動プロジェクト」です。
これはお葬式の中に1つでも感動を作りだそうという試みです。
これはお葬式における満足度100点以上を目指すために取り組み始めたものです。
私は「感動は足し算で考え、接客は引き算で考える」ということをよくお話します。
お葬式の現場において、接客レベルが高いという状態、
これは「当たり前に目指さなければいけない」状態です。
お客様はミスがなく、スムーズに終わることを予め期待しています。
ですからそれが出来ることはお客様からすると当たり前のレベルであり、
その状態が100点満点のお葬式です。
そこから様々なミスや接客対応のまずさがマイナス要因となり、
どんどん100点満点から低くなってきます。
つまり100点を超えるためには足し算要因が必要と言うことになります。
そこでK社で考えた足し算要因が感動であり、
スタートしたのが「小さな感動プロジェクト」です。
具体的には予算1,000円以内で何かしらのサプライズを行なおうというものです。
1,000円という金額には理由があります。これは継続性の観点からです。
費用がかかりすぎるという意味ではなく、あまりに高額な予算というものは、
従業員は逆に使いづらいのです。
逆に1,000円程度であれば、気兼ねなく使うことができ、実行確率が高まります。それによって活動が継続されるのです。
この取組を実際にスタートして生まれたメリットが早速あります。
それはスタッフの行動に変化が現れたということです。
サプライズを行うためには、絶対に必要なことがあります。
それは「お客様を知る」ということです。
どんなことをしたら喜んでくれるかを考えるためには、
何が好きだったかを知る必要があります。
実際にそういった情報を得るために、従業員さんが打ち合わせに行く時間が早まり、
より深い話がお客様と出来るようになったといいます。
気軽に出来る「小さな感動プロジェクト」。 ぜひ実行してみてはいかがでしょうか?
2012年12月26日更新
右の写真は12月に船井総研のオフィスに突然現れたクリスマスツリーです。
出来上がった当初は特に気にしていませんでしたが、トイレに行く途中の壁に設置されたこのクリスマスツリーは必ず目に留まるものでした。
何度か通っている中で良く見てみると、ツリーに貼り付けられたそれぞれの紙には、サンキューメッセージが書いてあることに気付きました。
そして良く見ると、それはそのフロアに所属するコンサルタント一人一人に対してのスタッフさんからのサンキューメッセージでした。
そうとわかるとやはり自分の分も探してしまいます。
普段顔をあわせているスタッフからのメッセージですが、こうして改めて言葉を頂くとうれしいものです。
そして全員へのメッセージであることに気付いた私は、フロアにいたほかのメンバーにもそれを伝えました。勝手に口コミも広がり、全員が小さな感動をしていました。
手前味噌になってしまいますが、これは一体化に向けたすばらしい取組だと思います。
実はサンクスカードという取組はいろんなところでチャレンジされています。
ただ、それがなかなか継続しているところは意外に多く有りません。
理由としてはその「継続性」にあります。
最初は何となく言われてやってみたけど、そんなに毎日毎日感謝することも見つからない。
そうすると続かなくなってしまう。
続かないから仕組み自体が形骸化してしまい、逆に負の遺産のようになってしまいます。
今回は「クリスマス」という大義名分を生かし、ツリーに見立てて作られています。
つまり「クリスマスならではの取組」という印象があり継続性を前提としていません。
スタッフさんからの一つ一つのメッセージは、簡単なものではなく、それぞれが相手をイメージした具体的なものばかりでした。
この具体的なメッセージも、1回だからこそのものだから可能となるものだと思います。毎回毎回、あのボリュームのサンキューメッセージを書けといわれれば、簡単なものではありません。
スタッフさんは直接売上を作れる部門ではないため、その大きな役割は如何に売上を作る直接部門の生産性を高めるかにあります。
そのために事務作業を補佐したりという仕事が中心となりますが、直接部門のモチベーションを高めることが出来れば、それも生産性向上の役割を大きく果たすことが出来ます。
もちろんこの取組は、スタッフから直接部門へといった流れが限定ではなく、全社交えて何かのきっかけでやってみるのもよいですね。