2012年9月19日
市場の競争が激しくなり、直葬も増えている中で、どんな企業も直面している課題があります。
それが単価ダウン。会葬者も減っているということの影響ももちろんありますが、家族葬・直葬などの比率が高まっていることが大きな要因でしょう。
そんな中でM社様では平均単価が上がっているという現象が起きています。
施行件数ももちろん伸びており、お客様から頂くお礼状の数も減っていません。つまり満足度は下がっていないため、無理な単価アップではないことがわかります。
単価が上がっているその理由は、客層が変わってきているからです。具体的に言うと、「新規」と呼ばれる客層比率が下がっているのです。
新規のお客様とは、「お葬式の受注段階になって初めて接点を持つお客様」を指します。チラシやタウンページ、ホームページを見たお客様から初めてのお電話でのご依頼ということです。
なぜその比率が下がると平均単価が上がるのでしょうか。
皆様は、新規客、事前相談(会員)客、過去客。自社におけるそれぞれのカテゴリーの平均単価を把握していらっしゃいますでしょうか?なんとなくではありません。数字としてきっちり把握されているでしょうか?
M社様でこの数字を出したところ、一番平均単価が低い客層は「新規」のお客様でした。その理由はとてもわかりやすく、いわゆる「直葬」の比率が一番高いのです。
「新規」のお客様の特徴はとてもわかりやすく、価格帯がばらばらです。費用を抑えたお葬式が多い一方で、高いお葬式をされる方が多いのも「新規」のお客様の特徴でもあります。
ただ、それでも平均単価が一番低くなるくらい「直葬」の比率が大きかったのです。
これは昨今、葬儀業界が様々なマスコミに取り上げられ、そして「お葬式は高いもの」という印象が強くあることに影響を受けているのでしょう。「よくわからないからとにかく安く」そんな心理が見て取れます。
ですからM社様ではとにかく事前相談など、事前の接点を持つことに全力を投じました。そして事前相談経由や会員様の施行が全体に占める比率が15%も高まってきた。その結果、平均単価も上がってきたのです。
直葬の比率が高くなってきている地域では、客層別の単価の違いは、M社様と同じになるかと思います。市場の成熟度が進んでいない地域であれば、違う順番にもなるかもしれません。
お伝えしたかったことは、単価アップとは「打ち合わせ」で全てが決まるわけではないということです。
打ち合わせももちろん大事ですが、それ以前にどの客層に焦点を絞っていくかでも大きく違いが出てくるということです。
自社の客層別の単価をしっかりと把握し、狙いを定めて活動する。
それが業績アップに直結していくのです。