2015年4月09日
こんにちは大道です。
我々船井総研フューネラルビジネスコンサルティングチームが
コンサルティングをさせていただく際に、
理想とする葬儀社の形として5つの項目を挙げさせていただいています。
そのうちの一つに「会社のコンセプトが明確である」というものがあります。
これは本質的な商品で差別化が図りにくい葬儀業界では
競合と差別化を実施していくうえで
非常に重要なポイントとなっていることは皆様も周知の事実でしょう。
しかし、このコンセプトは明確に固め、
社内に浸透させているだけでは意味がありません。
コンセプトはお客様に積極的に伝え、共感してもらうことで
初めて付加価値が生まれます。
ですから、あらゆるシーンで「説明」という一手間をかけることが重要です。
例えば、H社様では、「こころひとつになれる」をコンセプトとしており、
そのコンセプトを具現化するための工夫が施された様々なサービスを実施しています。
そのサービスの一環として、サプライズで料理の提供を行っています。
自社で料理部門の内製化を行っているため、通常の仕上げ料理にプラス一品として
故人様と縁のある食材を使用したものや、仕上げ料理では
中々出てくることがない故人様の好物料理を出すなどの工夫をしているのです。
このサービスをお客様に提供するときに、
スタッフだけが故人様の好物だと理解をしている状態で
プラス一品の料理を提供しても、
大半の人がそのサービスがなぜ行われているのかの意味を理解することができません。
ですから、ほんの一部の人が感動したとしても、
多くの方は「何か一品違和感のあるものが出てきたな。」と感じる程度です。
しかし、このプラス一品の料理を提供する際に、
「こちらのお膳の説明を少しさせてください。こちらの○○は
実は故人様が生前からよく口にされていた好物料理です。
味付けもご家族の皆様にうかがわせていただき、
極力故人様の好みに近づけられるように作っています。
ですので、少し味が濃いかも知れませんが、
故人様の好きだった料理を皆さんがこの同じ空間で召し上がっていただき、
こころひとつになっていただければと思います。」
といった説明が事前にあるとどうでしょうか?
たったそれだけで、このプラス一品のお料理を提供している意味や
自社のサービスコンセプトが理解できますよね?
この時点で初めてお客様に共感していただける準備が整ったのです。
ここからはお客様が共感してくれる、くれないという差はあるでしょうが、
しっかり伝えないとそのフィールドにも立てていないことになります。
つまり、コンセプトは感じてもらうものではなく、
伝えて共感してもらうものなのです。
例えば、打合せや事前相談のヒアリングでもそうです。
ただ、深くヒアリングをしようと思って、
何も伝えずにどんどんお客様に質問を投げかけると
「土足で心の中に入ってくる人だな」と感じられてもおかしくありません。
しかし、事前に我々のコンセプトは○○です。
ですので、色々と質問させてください。という説明があると、
それに共感したお客様は同じように質問を投げかけても、
○○なお葬式を実現するために聞いてもらっているという感覚になります。
皆様の会社ではしっかりとコンセプトをお客様に伝えていますか?
伝えられていないという会社様はぜひ、
様々なコンセプトに基づくサービス提供の際に、
コンセプトを伝えることを強く意識してみてください。
それだけで、付加価値が高まり、お客様満足度が大きく向上します。