2015年7月15日更新
先日リクルートワークス研究所が発表した2015年の採用見通し
(4600社にアンケート調査をし、毎年採用動向レポートを発表している)
によると、2015年も今年同様に採用意欲の高い企業が多いようです。
特に、中途採用はリーマンショック前の水準を上回っており、
来年度の中途社員の確保は今年より難しくなる可能性があります。
そんな2015年の採用でポイントになるのが「新卒採用」。
FAX新聞の2014年9月号でも書きましたが、
好景気・採用増の時代には新卒採用が適しています。
毎年72万人の大学生が卒業し、約20%の14万人は、
好景気・不景気に関わらず正社員になれない現状にあり、
新卒採用は好景気でも中小企業でも人材確保ができる手法なのです。
そんな新卒採用で、注意すべき点が3点あります。
(1)2015年から新卒採用のルールが変わる!
新卒採用には、「勧誘解禁」「面接解禁」という2つのルールがあります。
経団連が定めている倫理憲章で、新卒採用する際、
学業の妨げにならないように学生を勧誘できる日程、面接を開始できる日程が
厳密に決められています。
2014年まで勧誘解禁が12月、面接解禁が3月だったのですが、
今年からは4ヶ月後ろ倒しになり、
2015年3月に勧誘解禁、面接解禁が8月になります。
(2)中小企業(特に不人気産業)の採用が不利になる!
とはいうものの、経団連に所属していない企業は、
面接解禁に関しては8月というルールに縛られません。
(新卒採用はマイナビやリクナビを見て就職活動をする学生がほとんどのため、
勧誘解禁は前倒しすることは難しいです)
そのため、葬儀社様の場合3月から面接をし、人材確保することが可能になります。
しかし、問題になるのは「採用人数が読めない」ということ。
新卒採用の場合、2015年に採用したとしても2016年4月に入社し、
採用と入社の間にタイムラグが生じます。
そのため、採用通知を出したものの、他の企業に行く学生が発生します。
採用が後ろ倒しになったため、早期に採用を決定しても
他の企業、特に大企業に流れるリスクが高くなりました。
また、大企業が採用終了するだろう12月以降に採用を開始しようとしても、
学生にアピールする時間が短く、
中小企業、特に学生の目が向きにくい不人気産業採用が難しくなっています。
そのため早期に採用を実施することが重要になります。
(3)「ファン作り」が重要になってくる!
2015年の採用を成功させるためには、「ファン作り」が重要になります。
船井総研には「3回安定、10回固定の法則」という言葉があります。
「短い期間に3回会えばその会社のことが好きになり、10回会うとファンになる」
という意味です。
つまり、会う回数をいかに増やし、
絶対に入社したいと思う学生をいかに増やすかが勝負になってきます。
私のご支援先では3ヶ月で学生に10回会い、
ファンにするプログラムを組んで採用に取り組んでいます。
以上の3点を来年度の採用の参考にしてみてください。
2015年4月15日更新
皆様こんにちは。
いつもFAX新聞をご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
今回は採用における「立地戦略」の重要性について書かせていただきます。
船井総研では、店舗経営において「差別化の8要素」という考え方があります。
・立地(商圏人口・店前通行客数) ・規模(会館坪数・ホール数) ・ストアロイヤリティ(ブランド・歴史) ・商品力(施工力・プラン力) |
・販促力(販売頻度・質・数) ・接客力(接客) ・価格力(値づけ) ・固定客化力(会員制度・アフター) |
上図のような8つの要素で店舗の差別化の方向性を検討するのですが、
採用でも同じ考え方が重要になります。
採用における立地戦略には大きく分けて3つあります。
①「雇用商圏の決定」
求人を出す際、闇雲に出しても成果を出すことはできません。
まずは、「どのエリアに、どの程度の求人者がいるか」を調べる必要があります。
例えば、新卒採用の場合では、
「求人者数=通勤時間1時間圏内人口×就職活動年齢人口率×大学進学率」
でおおよその求人者数の算出をします。
もちろん、「雇用商圏内に求人者数が少ない場合」は
商圏を広げる対策を取る必要があります。
②「広告媒体の掲載立地の決定」
雇用商圏を決定すると、次は広告媒体を決定します。
その際、重要になってくるのは、
「アクティブユーザー数(どのくらいの人が使っているか)」「掲載費用」です。
最近は多くの場合インターネットを利用して求人を探すため、
掲載費用が安いからと言っても安易に掲載しない方がいいです。
実際に検索したときにどこに表示されるか(当然、上に表示される方がいいです)を
きちんと把握する必要があります。
もちろん、ハローワークの求人も同様で、
一度求人を出したからと言って放置していると、
どんどん新しい求人の下に埋もれてしまうので、
1ヶ月に1度は足を運び更新することが重要になります。
③「合同企業説明会のブース立地の決定」
合同企業説明会を利用する葬儀社様も多いと思うのですが、
ブース立地が勝負を決めることになります。
場合によっては3倍以上の差がつきます。
ブース立地の決め方は極めてシンプルで、
「(有料の場合は)多くお金を払うか」「担当者と仲良くなる」ことで決定します。
新規採用を検討される場合は、「立地戦略」をきちんと検討してみてください。
2015年3月25日更新
こんにちは。光田です。
「人」のことで悩まれている葬儀社様も多いのではないでしょうか?
実際、私も相談されることが多くあります。
なぜ業界的に「人」で悩むことが多いのか。
よくよく考えてみると、それは業界自体が
マンパワービジネスであるという認識になってしまっているからです。
葬祭業はサービス業であるので、「人」が商品、と
今までみなが口を揃えて言ってきました。
そうであるにもかかわらず、
採用という「人(商品)」の仕入にお金をかけず、
そして、「人(商品)」を育てる教育、仕組が
あまりにも出来ていないのが現実です。
このようなことを言うと
「仕組と言われても、お客様一人ひとり違うし、
宗派によって違うし、マニュアル化は難しいものだよ。」
という意見が聞こえてきそうですが、
それも百も承知です。
しかし、これだけ店舗展開が活発となっている今、
そもそも「人」=「商品」という概念を一
度見直す必要がある時期に来ています。
「人」=「商品」になってしまうと、
どうしても「人」の力に頼らなければ経営は出来なくなってしまいます。
そうではなく、「商品」は「商品」として、
会社側が圧倒的に他社を勝るものを用意し、それを販売する仕組みを作り、
そして、その商品を販売し、サービスを行う「人」のレベルアップを図っていく経営が
今求められている時代になってきました。
さて、経営者の皆様に質問です。
あなたの葬儀社の商品は、圧倒的に他社を勝っているでしょうか?
この商品作り、そして、どのようにその価値を伝えていくか、
を徹底的に見直し仕組に落としてく必要になってきます。
※ちなみに、光田のご支援先で行っている商品作りのキーワードは
『ハイイメージつき大衆商法』です。
イメージが高いものを、大衆向けに販売できる商品作りをどこまで出来るかを
追求していく必要があります。
2014年12月24日更新
先日、年商100億になる企業様の幹部研修会を行いました。
午前中に部長職となる6名ほどの社員さん、
午後は課長、係長クラス、約30名の社員さんを相手にしながら、
【管理職の責任と役割】を考える研修を行いました。
ディスカッションを中心とした研修でしたが、
その中で管理職の理念浸透度、右腕度を図るワークを行いました。
予想以上の違いが出て、驚きました。
ワークで行った質問は次の2つ。
1.経営理念をお書きください
2.経営理念をあなた自身の言葉で説明してください
この目的は、次のとおりです。
管理職の役割のひとつに、組織の一体化・成長を図るというものがあります。
それは単に大きくなるということではなく、
ある軸を持って成長していく必要があります。
その軸が経営理念といえます。
「設問1」は、まずそれをきちんと覚えているかどうかを聞く質問です。
そして「設問2」が重要なのです。
ここですんなり文章をかけない管理職の元では、組織が一体化することはありえません。
多くの場合、経営理念は背景にある思いが短縮化され、短くなっています。
本当の意味で理念を伝えていくには、その背景を伝えることができなくてはいけません。
それをきちんと伝えるには、自分が背景をきちんと理解し、
それを言葉にすることが必須と言えます。
実際にこの質問を行ってみると、やはり部長の皆さんは
きちんと自分の言葉で書く事が出来ていました。
今年から部長になった方は、それができていませんでした。
午後に行った課長・係長クラスは、逆にほとんどが書けていませんでした。
中には経営理念を書く事のできない人もいました。
しかし、事前ヒアリングを行い、この方は今後も期待できそうという意欲のある方は、
やはり経営理念、そして自分なりの説明が書けていたのです。
右腕を育てていくにあたり、その温度感を図るひとつの研修として、
このワークは非常に意義のあるものだと感じます。
2013年11月20日更新
私がかなり意識している数字に生産性があります。
生産性とは社員一人あたり、1ヶ月当たりの売上ですが、
この数字によって会社組織の人員体制を作っています。
この数字は葬儀単価にもよっても影響が出てくるため、
単価の減少傾向が続く現在では大体180万円~200万円が
私のベストな生産性の数字と見ています。
葬儀の平均単価が100万円を上回る地域では20万円程度のプラス、
150万円を超える地域では40万円程度のプラスで
考えるようにしています。
この数字の全国葬儀社の平均数字というものも出ており、
黒字葬儀社の平均の数字が約170万円と言われています。
私が考える数字はそれより少し高いくらいです。
会社を見る際に、この数字を照らし合わせながら、
もっと今の人数でも売上を伸ばすことができるのか、
限界ギリギリなのかを見ていきます。
限界ギリギリのところでは積極的に人を入れます。
当たり前ですが、人を入れると生産性が下がります。
しかし、間もなくすれば、生産性は以前の数値に確実に戻っていきます。
ですから売上が伸びます。
かなり乱暴に言いますが「人を増やせば売上は伸びる」。
これは私が持論としている考え方です。
ただし、この公式にも条件があります。
あくまで人を増やして売上が伸びるのは、
生産性がギリギリ上限ラインにある会社です。
そもそも生産性がまだまだ低い状態では、
人を増やしても売上は対して伸びません。
これは理屈よりも経験則のところが大きいのですが、
おそらく間違いないことです。
ですから生産性が足りていない会社では、
生産性を上げるということが必須なのです。
生産性を上げるということは、
「無駄な時間を生産的な時間に使う」ということです。
生産的な時間とは、アフターなどの直接売上を作れる活動や
ポスティング、会員向けイベントなど
未来の施行件数アップにつながる活動です。
一方無駄な時間とは、移動時間や掃除の時間、
「念のため」のサポート時間などがあります。
掃除はもちろん必要ですが、
必要以上にこの部分に時間を割いている会社があります。
また通夜が入っている日の午前中に集中してやれば良いことを、
何もない日に行ってしまう。
すると営業活動をする時間もなくなることにつながるため、
どこの時間を使って掃除をするかも非常に大きな問題です。
「念のため」ということで人員を割くケースもあります。
結果として立っているだけという状況が起きてしまうことがあります。
もちろん想定外に備えることは必要ですが、その予備人数を
多く置きすぎている会社さんも生産性は落ちる傾向にあります。
こういった人という資源の使い方を見直すだけで、
生産性は大きく変わり、結果として売上は伸びていくのです。