2017年12月14日更新
(2017年6月FAXバックナンバーコラムより)
こんにちは。赤荻です。
5月6月は我々葬儀社側は時間が空きやすくなり、
かつ動きやすい時期でもあります。
例年お伝えしているとおりですが、この仕事のない時期に
どれだけ仕事が作れる動きができるかがポイントになります。
いつもやっていない行動を一つでも二つでもやってみるといいでしょう。
さて、お付き合い先では式場数3で
年間240件施行を行っている葬儀社様があります。
全式場が家族葬専用式場です。
この240件という施行件数を担当者3人で回しています。
式場自体は20席の家族葬式場、50席の家族葬専用式場、
100~150席の家族葬式場と規模による差別化を行っています。
来店数を増やすという目的では式場が近いことが重要になりますが、
大きい式となると施設が必要になるのでその際はお客様に提案し、
別の式場を使ってもらえます。
とはいえこの100席の式場も7000万円で建築しているため
そこまで投資過多というわけではありません。
今回お伝えしたいポイントは、この葬儀社様の営業利益率は
20%近くになるという事実です。
なぜ営業利益率が20%になるのか。
お読みいただいている方の中には「単価高いの取ってるんじゃないの」と
思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし請求書ベースの平均単価は80~90万円、
最終的な粗利は62%と家族葬式場だけでの展開を加味すると
そこまで高いわけではありません。
そのミソは、「来店と施行の発想分離」にあります。
まずどの式場への移動時間でも10分はかかりません。
別で本社もありますが、これも最長の式場と10分の距離。
全式場、常駐者が存在しますが、パートさんを常駐させています。
相談にいらっしゃってもパートさんから担当者に
相談来客を引き継ぎますので、担当者の移動10分だけで完了。
しかもこのパートさんの常駐時間は9~13時までです。
これはチラシで告知しているので問題ありません。
この葬儀社様では式場の商圏範囲をこの10分とし、
場所ごとに式場の規模を変えています。
自社の20席の式場近くに出店するなら50席、
自社100席の式場近くに出店するなら20席、
しかも全て10分程度の距離を条件に。
そうすることで担当者の人員が少なくて済む家族葬に対応しながら
担当者が年間80件持てるようになるのです。
来店はできるところまでパートさんで対応し担当者の仕事を減らす。
施行は担当者を中心に回すのはもちろんです。
担当者は式場に所属せず、依頼が来たときに該当式場へ向かいます。
不必要なときに担当者を置いておかなくて良いのです。
足りない分は外注で対応することで、
この営業利益率20%ということが生まれます。
来店対応=パートさん、施行対応=担当者が行う。
営業利益率を高められているのは、この商圏設定と事前相談対応の営業戦略、
そして担当者の効率の良い業務設定というところによります。
みなさんも来店の対応者と施行の対応者を分離することで、
どこまで人件費を削減し営業利益率を高められるか、
一度考えられてみて効率の良いモデルを作ってしまうと良いかもしれません。
2016年8月29日更新
こんにちは。
本日お伺いしたご支援先は、前年対比150%の好調を維持し続けている葬儀社様。
エリアの中でいち早く家族葬をうち出し、
徹底的に一番化を図ったことがその要因です。
とはいえ安心の状況ではありません。
周辺の競合環境は、JAや大手互助会等、巨大資本ばかり。
本日お伺いすると、そういった他社さんの折込チラシがずらりと。
こちらがやっていることが当たり前のように真似され始めます。
そこで同じ戦いをずっとし続けては、資本力がある方に軍配が上がります。
真似されたならば次の戦いへ。
そして、簡単に他社にできないレベルに磨き上げること。
それが「お客様に選ばれる理由」にまで高まれば、
他の追随を許さないレベルになります。
常に進化をし続け、競合店が付け入る隙のないような強い会社へ。
本日もありがとうございました。
2016年8月08日更新
こんにちは。
ご支援先の葬儀社様で前年対比170%という異常値を出している葬儀社様があります。この会社が何を実践して来たかといえば、「家族葬一番化」にすぎません。
この葬儀社様のエリアは東北県内。
いわゆる「都心部」とは言い難い場所です。
この商圏で、5年程前から家族葬の言葉を使い始め、
徹底的に広告宣伝で訴求してきました。
そして昨年末にエリアで初の「家族葬専用ホール」をオープン。
今年プラスした分は、この新規オープンした会館で稼いでいるというわけではありません。
あくまで「家族葬専門化」を地域の消費者に伝える手段として、
プラスに働いている状況です。
実際に事前相談に来たお客様の話を聞く機会がありました。
「うちは〇〇さんが違いだけど、家族葬でやりたいからさ~。
家族葬といえば××さんだもんな!」
という言葉が聞こえてきました。
まさに一番化による集客効果を発揮している現場を目の当たりにしたわけです。
人口密集地では、家族葬はもはや当たり前であり、鮮度が高いものでもありません。
しかし、まだ地方を見渡すと、そこまで「家族葬」が一般的でもない場所もあります。
そういうエリアにおいては、他社に先駆けいち早く取り組むことで、
その波が来た際に一気にマーケットシェアを獲得することができます。
波が来てから取り組んでは遅いですからね。
本日もありがとうございました。
2016年4月27日更新
皆様、こんにちは。船井総研の大道でございます。
いつもご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
今月は【フェーズごとに重要指標と目標値を設定する】という
タイトルでお話させていただきます。
あるお付き合い先では、5月に紹介した事前相談を細分化しながら
ロールプレイングを実施する方法に沿って、
事前相談のレベルアップに努めています。
この方法を活かしてより高い成果を出すために最も重要なことが
タイトル通り「 フェーズごとに重要指標と目標値を設定する 」
ということにあります。
ここが設定出来ていないと、
「通しでロープレを実施するよりも覚えが早くなる。」
というメリットはあるものの、
フェーズごとの目的を見失ってしまいがちになります。
例えば、会館案内のフェーズで言えば、
いかにお客様に着座して、話しを聞いていただくかという指標となる
「 着座率 」このパーセンテージを上げていくことが目標です!
そのためには、会館見学の流れの中で、
「どのようにお客様をテーブルに誘導するのか?」
「どんな一声をかけて、事前相談に持ち込むのか?」
といった部分を工夫する必要があります。
ある会社では、接客がよいにも関わらず、着座率が低いという状態でした。
親族控え室が内履き、ホールは外履きということに加え、
ホールスペースからも遠目であれば親族控え室の雰囲気を見ることができます。
そのため、ホールを先に見学されたお客様は大体の雰囲気を掴んでおり、
靴を脱ぐ行為が面倒くさいことから、
着座をしないで資料を求め帰るというケースが多かったためです。
そこで、家族葬専用ホールということを活かし、
「家族のことを考えたホールなので」という大義名分の下、
まずは内履きで入る親族控え室から見学していただくスタイルに変更しました。
こういった具合に、目標値が設定されていることで改善ができるわけです。
これが目標設定されていなければ、着座率を上げるという観点がないため
しっかり接客が出来ているのでOKとなってしまい、
重要指標である、「 着座率 」をあげるにはいたらなかったわけです。
しかし、この会社では「 着座率100% 」を一つの目標値として掲げているため、
この改善がなされたわけです。
ほかに「見積もりをお客様に100%提案する」という目標を掲げていれば、
会館案内時に、お客様に料金や見積もりのことを意識させるために
祭壇付近に価格関係の書かれたパネルの掲示などをすることで
確実にそれに目を向けてもらい、お客様がパネルを見ているタイミングで
「よろしければ詳しくお話しましょうか?」や
「よろしければ見積もりもお出しできますよ。」という形で
提案することで見積もり率の向上に努めています。
このようにフェーズごとに区切るだけでなく、
そのフェーズごとの重要指標と目標値を設定することで
より精度を高めることができます!
ぜひ実践してくださいね。
2014年8月27日更新
パーチェスファネルという考え方をご存知でしょうか?
これはマーケティングの概念の一つですが、
消費者が購買するその過程を分解した考え方です。
(AIDMA理論などが元になっている概念です。)
消費者は
①その会社の名前をとりあえず知っている
②その会社がどんな会社かを理解している
③そして好きである
④そのため買うかどうかを検討する
⑤そして購入する
⑥価値を感じ、再購入する
上から下までの考え方はこのような流れです。
当たり前のことですが、上に行けば行くほどボリュームは大きくなります。
まさにその考え方をベースに、H社様は事前相談数を一気に増やしました。
H社様が持っていた会館は、家族葬の走りを行く店舗です。
非常に居心地がよく、雰囲気も抜群です。
しかし、オープンして3年ほど経ちますが、月に1件もしくは0件の時もありました。
その理由は、まさに認知、そして理解段階が不足していたためです。
おそらく知った人は、その良さから好意は確実にもち、
そして体験すればリピートや紹介につながる率は非常に高いはずです。
ですから、広告や内覧会を始めとした告知活動を
もう一度徹底することから始めました。
すると早速7件の事前相談が入ったといいます。
「気にはなっていたけど・・」
そんな人が多かった中で、きちんと内容を伝えて「理解」をしてもらった結果、
検討いただける段階につながったのですね。
意外と忘れがちな認知活動のボリューム。ぜひ再度見直してみてください。