2017年10月31日更新
(2017年4月FAXバックナンバーコラムより)
皆様、こんにちは。
野町です。
いつもFAX新聞をご愛読いただきまして
誠にありがとうございます。
気温もだんだん暖かくなり4月ももうすぐ終わりを迎えます。
このシーズンにはお付き合い先の葬儀社の中でも
「 感謝祭 」を行うことが多い傾向にあります。
理由としては、5月にはGW、6月には梅雨のシーズンとなるので、
4月末~5月末に感謝祭を行う葬儀社様が多いですね。
「感謝祭」は、基本的には集客イベントとなるので、
地域への認知・新規会員獲得が期待できますね。
さて今回は、「自社の強みは必ずお客様に訴求しよう!」
というタイトルでお伝えできればと思います。
このタイトルを見ると、
「何を当たり前の事を言ってるんだ・・。」
「そんなわかっているよ・・。」
と思われる方も、いらっしゃるかと思います。
もちろん、そう思う方は自社の強みを理解し、
お客様にも直接そちらを訴求できている事かと思います。
ですが、“自社のスタッフ全員が本当にできているか?”と聞かれれば、
「んっ・・・。たぶん・・。」
と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
というのも、先日ある会社様のお仕事で自店並びに競合調査を行いました。
内容としては実際に自店・競合会館へ赴き、事前相談を受けるといった事です。
もちろん自店調査では経営陣しかこの事は知らず、担当者の方には内緒です。
その際、担当者の方に見積もりを提出して頂きましたが、
その金額は競合他社より高い結果となりました。
自店調査の順番が最後だった事もあり、
少し“いじわるな質問”を投げかけました。
「今日、他の葬儀社でも見積もりを貰いましたが、
〇〇葬儀社さんの金額は他の葬儀社よりも高いのですね・・・。」と。
そこで、どのように切り返しをしてくるのか、
という事は知りたかったのですが、
答えは「そうですね・・。」と。
ちなみにその葬儀社様では
お客様からのお手紙や仏壇(アフター)面など
他社と差別化できる要素はたくさん持ち合わせています。
にも関わらず、その事はお客様に伝えていなかった・・。
とても勿体ない事ですね。
今回の場合、決して担当者の方を責めるために、
このような調査をした訳ではありません。
今回の事で見るべき視点は、
会社としてその仕組みができていなかった事にあります。
仕組みとは、例えば事前相談で必ず使う資料の中に
自社の強みを訴求できるものをあらかじめ入れておくなどの事です。
つまり、なぜお客様に伝えなかったのだ!
と考えるのではなく、どうやったら“必ず”お客様に自社の強みが伝わるのか。
という視点で考えなければなりません。
つい先日、関西の葬儀社様の感謝祭のお手伝いをさせて頂きましたが、
自分の対応させて頂いたお客様の中から3組入会を頂けました。
※手続き等は担当者の方が対応。
※全入会は30組程度
その際には入会パンフレットや自社の強みをPRできるツールが
きちんと用意されていたため、自分のような部外者でも
それを使用すればお客様へ伝わります。
結果、入会も頂いております。
細かい話をすればお客様から頂いたお手紙を冊子にしたツールは、
こちらが何も言わないのにお持ち帰り頂く事が多く見られました。
それはきちんと自社の強みをお客様に伝えるために用意しているからですね。
機会損失をしないためにも、
自社の強みは“必ず”お客様へ訴求できる体制をつくっていきましょう!
2017年10月31日更新
(2017年5月FAXバックナンバーコラムより)
皆様、こんにちは。
長谷です。
3月にお送りさせていただいたFAX新聞では、
多角化経営の必要性について触れました。
今回は、まず葬儀業界の現状のおさらいからです。
今、葬儀業界で起こっている葬儀の小規模化による単価の下落に伴い、
売上や利益の縮小が進んでいます。
そんな市場の中、競合他社の乱立により、
シェアの奪い合いが激化していきます。
つまり、既存会員の他社流出が起こる危険が大いにあります。
自社の会員の他社流出や他社施行を防ぐためには、
会員のフォローが欠かせません。
ただ、会員フォローを徹底すればするほど、
今度は会員フォローの費用が莫大に膨れ上がり、経営を圧迫することになります。
その経営圧迫を防ぐ手立てが多角化経営、
つまり、新事業の付加ということを前回、お伝えいたしました。
ここまでで葬儀社にとって
多角化経営が必要なことはお分かりいただけたかと思います。
では、どんなビジネスを始めるべきなのでしょうか。
よくあるのは、花や、料理の内製化、
そして、仏壇仏具の販売などアフター部門の立ち上げでしょう。
これらの良いところは、既存の葬儀業に与える影響が大きいこと、
つまり、仏壇仏具のアフター営業で生涯顧客単価が増えることです。
ただ、これから必要になってくるのは、
生前から安定的に収益を上げられる事業です。
葬儀社の特徴は、何百何千もの会員名簿があることです。
その顧客基盤に対してあらゆるビジネスを提供し、
会員のプラットフォームになることが
今後も永続する企業には必要な要素になるでしょう。
その代表例が特徴的なCMでおなじみのライザップです。
ライザップは、パーソナルトレーニングの事業を中心に、
住宅や飲食、英会話など次々に事業を展開しています。
「自己実現欲求」が高い客層にターゲットを絞り、
ニーズに合わせた価値を提供しているため、
高額な商品・サービスでも顧客を集め続けることに成功しています。
葬儀社の場合、ターゲットとなる喪主世代、
対象者世代は高齢者になります。
その客層に対して提供できるサービスを考えてみましょう。
葬儀から逆算すると、
あげられるのが医療、介護、家事代行(生活支援)、見守りサービスなどです。
しかし、現実的に医療への参入は難しく、
介護業界は、飽和している状況です。
また、同時に考えなければならないことが、
葬儀とは、収益構造が全く異なる事業である必要があるということです。
葬儀は、自分の葬儀の場合、人生に一度、
家族の喪主をするのも数える程度でしょう。
つまり、購買頻度が低く、高単価のビジネスです。
一方、新しく始めるべきビジネスはというと、
購買頻度が高く(もしくは、定期的な消費)、
低単価なモノ・サービスである必要があるということです。
いわゆる“ストックビジネス”です。
そこで有力なのが、介護予防事業(健康産業)。
わかりやすくいうと、フィットネス事業です。
フィットネスで健康を維持し、元気なまま亡くなり、
そのまま自社で葬儀を行うという流れが実現できれば、
会員制度の付加価値にもなり、既存顧客の定着はもちろん、
フィットネス入会からの葬儀会員化も期待できるでしょう。
今回は、具体的に“フィットネス事業”についてご紹介いたしましたが、
他の事業を立ち上げる上でも、このような視点を持って考えてみてください。
2016年8月29日更新
こんにちは。
本日お伺いしたご支援先は、前年対比150%の好調を維持し続けている葬儀社様。
エリアの中でいち早く家族葬をうち出し、
徹底的に一番化を図ったことがその要因です。
とはいえ安心の状況ではありません。
周辺の競合環境は、JAや大手互助会等、巨大資本ばかり。
本日お伺いすると、そういった他社さんの折込チラシがずらりと。
こちらがやっていることが当たり前のように真似され始めます。
そこで同じ戦いをずっとし続けては、資本力がある方に軍配が上がります。
真似されたならば次の戦いへ。
そして、簡単に他社にできないレベルに磨き上げること。
それが「お客様に選ばれる理由」にまで高まれば、
他の追随を許さないレベルになります。
常に進化をし続け、競合店が付け入る隙のないような強い会社へ。
本日もありがとうございました。
2016年8月15日更新
こんにちは。
連日オリンピックで熱戦が繰り広げられていますね。
私は小さなころからずっとサッカーをやって育ってきましたので、
サッカーに関してはとても残念な結果となってしまいました。
とはいえ、連日テレビやインターネットでニュースが流れると
やはり見てしまうものです。
男子テニス、男子卓球、体操団体、個人、7人制ラグビー・・・
様々な「快挙」があり、興奮と感動を与えてもらっています。
そんな中で、私が一番感動したのは競泳の自由形リレーでした。
銅メダルではあったもののメダルを取ったことは快挙。
なぜ、感動したか。
それは実際の試合だけではなく、オリンピック前の特集で
今回のリレーにかけるチームとしての想いを見たことからでした。
最年長の松田選手、そのほかのメンバーは20代前半。
一回り違う松田選手のために!という他のメンバーの想い。
なんか熱いチームだな~
との事前の想いの共感が、それが達成されたことの感動をさらに高めたのだと感じています。
想いの共感
やっぱり大事ですね。
企業経営において、ファンを作る段階においても
なくてはならないものなんだとつくづく感じます。
本日もありがとうございました。
2015年4月09日更新
こんにちは大道です。
我々船井総研フューネラルビジネスコンサルティングチームが
コンサルティングをさせていただく際に、
理想とする葬儀社の形として5つの項目を挙げさせていただいています。
そのうちの一つに「会社のコンセプトが明確である」というものがあります。
これは本質的な商品で差別化が図りにくい葬儀業界では
競合と差別化を実施していくうえで
非常に重要なポイントとなっていることは皆様も周知の事実でしょう。
しかし、このコンセプトは明確に固め、
社内に浸透させているだけでは意味がありません。
コンセプトはお客様に積極的に伝え、共感してもらうことで
初めて付加価値が生まれます。
ですから、あらゆるシーンで「説明」という一手間をかけることが重要です。
例えば、H社様では、「こころひとつになれる」をコンセプトとしており、
そのコンセプトを具現化するための工夫が施された様々なサービスを実施しています。
そのサービスの一環として、サプライズで料理の提供を行っています。
自社で料理部門の内製化を行っているため、通常の仕上げ料理にプラス一品として
故人様と縁のある食材を使用したものや、仕上げ料理では
中々出てくることがない故人様の好物料理を出すなどの工夫をしているのです。
このサービスをお客様に提供するときに、
スタッフだけが故人様の好物だと理解をしている状態で
プラス一品の料理を提供しても、
大半の人がそのサービスがなぜ行われているのかの意味を理解することができません。
ですから、ほんの一部の人が感動したとしても、
多くの方は「何か一品違和感のあるものが出てきたな。」と感じる程度です。
しかし、このプラス一品の料理を提供する際に、
「こちらのお膳の説明を少しさせてください。こちらの○○は
実は故人様が生前からよく口にされていた好物料理です。
味付けもご家族の皆様にうかがわせていただき、
極力故人様の好みに近づけられるように作っています。
ですので、少し味が濃いかも知れませんが、
故人様の好きだった料理を皆さんがこの同じ空間で召し上がっていただき、
こころひとつになっていただければと思います。」
といった説明が事前にあるとどうでしょうか?
たったそれだけで、このプラス一品のお料理を提供している意味や
自社のサービスコンセプトが理解できますよね?
この時点で初めてお客様に共感していただける準備が整ったのです。
ここからはお客様が共感してくれる、くれないという差はあるでしょうが、
しっかり伝えないとそのフィールドにも立てていないことになります。
つまり、コンセプトは感じてもらうものではなく、
伝えて共感してもらうものなのです。
例えば、打合せや事前相談のヒアリングでもそうです。
ただ、深くヒアリングをしようと思って、
何も伝えずにどんどんお客様に質問を投げかけると
「土足で心の中に入ってくる人だな」と感じられてもおかしくありません。
しかし、事前に我々のコンセプトは○○です。
ですので、色々と質問させてください。という説明があると、
それに共感したお客様は同じように質問を投げかけても、
○○なお葬式を実現するために聞いてもらっているという感覚になります。
皆様の会社ではしっかりとコンセプトをお客様に伝えていますか?
伝えられていないという会社様はぜひ、
様々なコンセプトに基づくサービス提供の際に、
コンセプトを伝えることを強く意識してみてください。
それだけで、付加価値が高まり、お客様満足度が大きく向上します。